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パラサイト 半地下の家族のRENのレビュー・感想・評価

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.6
2度観ると更に面白い。
初回で笑っていたものが笑えなくなってしまうというブラックなコメディ部分が怖い。
内職で食いつなぎ、散らかった部屋でWiFi乞食をする家族。対して広い庭でパーティをする地下鉄には何年も乗ったことのないような家事の出来ない家族。貧しい者の卑怯な狡猾さや、言葉に英語を挟んでくる成功者の賢く滑稽な様をシニカルに表している。
ポン・ジュノ監督による貧富の表現では、貧しい側と富裕な側、両者にとって両者に対する非現実さを表している。父さんの行動の動機にはそこにあると思う。
経済的格差、住処の高低差、家族の境遇、そして半地下の匂いと劣等感。裕福な家族への羨望と憎悪が溜まりに溜まって静かに爆発した。
賢さには種類があった。学歴主義のこの社会によくある偏差値で測れる賢さ。そして現状を打破するために行動をとるための賢さ。2つは似て非なるものに見えるが、今後のため、順調さを得る為の手段としては同種である。
監督の度を越すギリギリのラインの“計画”に笑い驚き肝を冷やした。
是非2度鑑賞してみて。
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