このレビューはネタバレを含みます
半地下に暮らす貧しい家族。
しかし、彼らには悲壮感が無い。
過去の栄光の飾られたメダル…優秀だが貧困から大学へ行けない兄と妹…そんな優秀な子供を褒める父親。
家族全員がどこかで、自分達はこんな生活をするはずでは無いとでも考えてる様な振舞い。
ふとした事で、上流階級の家庭に入り込み信頼を得る家族達。
ほら、俺たちだって奴らと同等な価値があるんだ。
ただ、貧しかっただけで…
でも、彼等はいつの間にか染み付いた「貧しさ」の匂いに気が付かない。
その事に気がついた時に彼等は知ってしまう。
自分達の自尊心が儚く薄っぺらだと。
所詮、金持ちにたかるしかない現実を…
そして、見えない壁が見えた時、雇い主で有る彼の蔑んだ一言で全てが壊れてしまう。
彼等は何を望んでいたのか?
大学に入る事?
お金を稼ぐ事?
裕福になる事?
あんな極悪な生活でも卑下せず生活していたのは何故?
上流階級の家にパラサイトしても決して金持ちにはなれないのに何故?
余りにもノープランな生活じゃない?
そして、もう一つの悲しいパラサイト。
彼等も何かを信じ生きていたのだろうか?
万引き家族が日本の貧困を描いたのなら、この映画は韓国の貧困差を描いていたのでしょうか?
こちらの映画の方が、ユーモアが皮肉的に描かれている気がしました。
あと味が悪い結末だけに、いつまでも夢物語を語る長男が哀れ過ぎました。