むら

パラサイト 半地下の家族のむらのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

まだ上手くまとまらない。
ただ一瞬たりとも飽きない、集中が途切れない、隙のない完璧な構成はとにかく上手いと思った。
パラサイト(寄生)していくところ、ラストの侵食するような猟奇的なところ、全体的に流れが読めるというか、それは先読みができるというよりはその瞬間瞬間でそれはもうこうなるしかないだろうというちょっとした操作感覚は面白く、つい無意識にニヤニヤしていたのには自分が驚いた。
多分見落として読みきれてない部分があってそれがもどかしい。
"半地下の臭い"というキーワード、いくら見繕っても、いくら演技が上手くても生活臭というかその人間の匂いはごまかせない。自分の匂いは一体、自分の望む姿の匂いをしているのだろうか、多分していない。
子供がその匂いにいち早く気付いて、モールス信号も気付いて、しかし結果この屋敷がパラサイトされている真実には辿り着いていないのか。娘が美術の先生として授業したときに急にキチンとしたのは何故なんだろう。
社長の夫の意味深な台詞もなんだか引っかかる。夫も匂いを感じていて、なんとなくあの父に対する無意識な差別をしてしまっているのか。しかし夫は夫で家庭が脅かされていることには気付いていない…?「愛している」ことに対する煮え切らない返答。
"象徴的"という言葉も何度も聞いたな。

今読んでいる戯曲が台詞1つ1つに目的と意味がある戯曲で、パラサイトもまた、1つ1つに意味があるんだろうなと。台詞だけでなく、描写、出てくる物、音、全てにおいて。
むら

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