このレビューはネタバレを含みます
なんだろうこの物足りなさは。
周囲の人の評価があまりにも高く、期待しすぎたのか。はたまた好きな監督の作品だからか。
殺人の追憶のほうがずっと面白かった。
コメディもサスペンスも、社会風刺も、様々な要素を掛け合わせた作品で、掛け合わせすぎてどれも中途半端。
前半はもっとコミカルに、後半はもっと格差社会を痛烈に批判したなら面白かっただろうに。
残念ながら私の心には何も残らなかった。
予想ができない展開。確かにそうなのかもしれないけれど、予想ができない「どんでん返しがある=良い作品」ではないない。そこに頼りすぎてしまったのがもったいない。
観終わった後に分析して楽しむのもいいけれど、映画を観ている2時間半をまずは楽しませて観た人に何かしらの衝撃、インパクトを与えること。それが弱かった。。。
何故こんなにも世界で受けているのか。半地下という韓国映画に定番の独特の空間がもの珍しいだけなんじゃないかという気が。アメリカ映画で描かれる貧しい人とはまた違う、人間の油臭さ、カビ臭さ、不潔さのある半地下の世界は、韓国エンタメ特有のものだ。
ちなみに貧困を描くなら別の監督だが「息もできない」のほうが面白かったし、痛烈だった。