このレビューはネタバレを含みます
半地下、それが生き場所の私たちにあまりに現実を見せてきた映画。
前半の下克上詐欺作戦は、だまれやすい家族とずる賢い家族の対比が面白かったけど、後半階段を駆け下りてから絵の通り文字の通り転がり落ちる家族を眺めて、この映画は他人事ではない、私たちが主役の映画だってやっと気づいた。
生活を苦しめる大雨を喜ぶ人もいる。それが現実。圧倒的な段差を隔て、氷山の一角の富に寄生してる自分の姿を鏡写しで見てる気になった。
図太く生きような。半地下のニオイの中に身を潜め、太陽の陽を浴びる日まで。
笑えないぐらい夢のない現実的な映画だったけど、唸るほと面白かった。これはエンタメ。