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新感染半島 ファイナル・ステージのTenKasSのレビュー・感想・評価

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スローモーションもクロースアップも回想も音楽も、特にドラマパートでは感情部分に奉仕し過ぎていて俗もいいところ。カンヌのオフィシャルセレクションというのも俗っぽさを増している。
とはいえ社会情勢から来る部分も大きいが「待つな、闘え、必ず誰か見ている、助けは来る。」という直球な主題と、単に唾棄すべき地獄としてだけ変わり果てた世界を捉えないラストの気の利いた台詞にはチョロい観客なので感動してしまった。車に乗せるか乗せないかが主題に絡むが故のカーアクションの突き抜け方も良い。
邦題は相変わらずギャガだね…という感じだが、2021年元日公開の意義は大きい。

日本には良い出来のモノしか入ってきてないだろうし、韓国映画をたくさん見ているわけでもないが、オリジナル脚本の大作がこだわりと作家性を担保されているのは素敵。
何となく日本における大作と呼ばれるもの(監督が山崎なんとかとか大友なんとかとか佐藤なんとかになる殆どがマンガ原作のモノ)に食指が動かない理由もハッキリした気がする。
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