EDDIE

新感染半島 ファイナル・ステージのEDDIEのレビュー・感想・評価

3.0
列車でのゾンビパニックから4年…ベールを脱いだ続編は荒廃した光景になっていた。ハリウッド作品すら凌駕するカーアクションは瞬き禁止のど迫力。ただ粗いCG、薄い人間ドラマ、世界観だけ引き継いだ疑問符の付く続編だった。

2016年公開(日本公開2017年)の前作は、とにかくアイデアが面白く、閉鎖空間で繰り広げられるゾンビとの攻防にハラハラした良作でした。全世界でのヒットも納得の作品。
そんな前作を超えるスケールで公開された本作は、セットの豪華さやゾンビ感染が韓国全土に広がった荒廃感をうまく演出しており、冒頭から期待感が高まりました。

そう、思ったのも束の間。
確かにアクションは凄い。特にカーアクション。これは下手なハリウッド映画よりも見応え十分です。ただ気持ちが上がったのはここまでかなぁ。

そもそも韓国映画とは相性が悪くて、これまで傑作と言われる『ペパーミントキャンディー』ですらイマイチハマらなかったという背景があります。

そんななか、まず前作の主要なキャストが引き継がれていない点、世界観だけ引き継いでしまったのは残念極まりありませんでした。
ゾンビ化してしまったマ・ドンソクでも出てこようもんなら面白かったんですけどね。
カンヌ国際映画祭出品作品ということで、とにかくスケールアップさせることに注力したのでしょうか。

ホント前作の方が全然面白かったです。
人間ドラマとしても主人公のジョンソク(カン・ドンウォン)とミンジョン(イ・ジョンヒョン)母娘とのドラマパートは薄味でイマイチ感情移入できず。

言うなれば続編を名乗って入るけど、世界観だけ同じスティーブンキング作品のよう。同じ世界線にいるのだけど、誰も前作と今作で共通するキャラがいないみたいな。

粗いCGについて特に気になったのは、せっかく迫力あるカーアクションなのに、轢かれたゾンビが幽霊のようにふわっと消えてしまったところ。あそこ完全にミスですよね。あれがそのまま残って編集されていたのにはガッカリしました。

文句ばかりですが、カーアクションは本当にすごいので3.0を付けました。

それでは皆様、先程『エクスペンダブルズ』のレビューでも書きましたが、本年もどうぞ宜しくお願い致します。

※2021年劇場鑑賞1本目
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