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新感染半島 ファイナル・ステージのKOUTAのレビュー・感想・評価

2.4
とりあえず『新感染 ファイナル・エクスプレス』の続編『新感染半島 ファイナル・ステージ』を観てきた感想をハッキリ言うのであれば、金がかなりかかった娯楽ゾンビ映画だけど前作好きな人はあまり納得いかない作品なんだよね

この映画の良いところはとりあえずなんでもかんでも金で解決する荒廃した街の世界観と、シンプルで分かりやすい部分かな。前作を観なくても全然この作品から観れるけど、この作品から観て前作を観る初見さんはたぶんその作品の出来の温度差に耐えきれずヒューマン・トーチになるよ

とにもかくにも前作のキャラクターは全然出てこないし、前作で話していてたバイオ会社の話しは全く話さないし、本当にゾンビを雪崩のように襲いかからせたり、その世界観を楽しんだりするのが見方としては正解な作品かもしれないね。

正直監督がやりたかったのってこっちの作品のような気がする。監督が元々アニメ監督だからかもしれないけど、内容とかバトルシーンはかなりアニメを観てる感覚になったし、キャラクターもアニメぽいんだよね。デイミアン・チャゼルみたいな感じとまではいかないけど、この二作目で監督がやりたいものとか好きなものが伝わったからそう感じたのかもしれない。

それから個人的には終盤のシーンはかなり大好きで、確かにCGぽさはメチャクチャ出てるし、ゾンビもCGだらけだから少し気持ちは落ち込むんだけど、映画ファンの間ではかなり語り継がれるカーチェイスって感じ。だってあれはもう明らかに『マッドマックス』じゃん。荒廃した世界に色んなヒャッハーが集まっただけでもそうなのに、あのカーチェイスを見せられたり車のデザイン見せられたら『マッドマックス 怒りのデスロード』って思っちゃうよ

そうした娯楽性溢れるゾンビ映画でただただ観て楽しむものとして作られている作品。ストーリーもシンプルだし、正直『新感染 ファイナル・エクスプレス』よりも時間の進みが体感で早かったように感じた

不満点を言うならキャラクターに魅力がなく特に敵キャラはかなりいまいち。あんなゾンビの世界でヒャッハーして一体何を目的に動いている組織なのか分からない。ゾンビだけでは寂しいから、主人公たちに立ちはだかる壁を作りたかったのかもしれないがもう実際ゾンビが物理的に壁を作ってくれてるからいらない

ラストシーンも感動を狙っているのは分かるが、あんなに母親を助けるか助けないかとか再開して抱き締めるのも十分に分かる。ただいつ襲い来るか分からないゾンビがいる場所で、瞬時に行動しなきゃいけない時に流石にダラダラしてたなと

あと全体的に緊張感もなかったです。前作は日常が非日常になるハラハラさと電車という狭い場所でゾンビから逃げるから緊張感あるけど、もうゾンビがいるのは分かっているし、世界観も広いからもうどこから来ようが別に怖くはなかったです。

そういえばあんなに夜も昼もギャーギャー騒いでたヒャッハー達はよく4年間もばか騒ぎして生き残れたよな。スゲーよ

10点中5点
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