『64-ロクヨン-』や『凶悪』『残穢-住んではいけない部屋-』を思い出すような、闇に埋もれかけた昭和史を掘り返すモノ。『22年目の告白-私が殺人犯です-』も実際の事件を元にはしていないけど同じようなテイストだったな。
カセットテープに録音された子供の声とか、『リング』の呪いのビデオみたいな、古いメディアだからこその禍々しさというか不気味さがあって良かった。タイトルが出るまでの掴みは抜群。(タイトル出るまで小栗旬出てこなくてもいいんじゃないかと思ったけど)
脚本はよくできてて面白かったけど、演出が良くなかった。撮影、編集の段階で切るべきセリフやシーンがそのままどっさり残っちゃってた気がする。し、やはりドラマの演出が主な方だからか、カット割りが細かすぎてうるさい。情緒を殺しちゃってた。
普通、テレビドラマの演出をしてる人が映画撮ったらこうなると思う。その点、西谷弘監督はやっぱり特殊。ドラマはドラマとして撮りつつ映画になるとちゃんと映画として撮れる。
ラストカットとかも、何て中途半端なショットで終わるんだ!と驚いた。シーン自体はいいとして、この140分超の映画のラストカットがこんなのはないだろうと。
もっとシンプルに整理して上手く、且つ視覚的に見せてくれたらすごい面白かったろうになあ。惜しい。
宇野祥平、火野正平。
キツネ目の男、水澤紳吾さんがいつも以上に不気味ですごく良かったのでもっとフィーチャーされてもよかった。
【一番好きなシーン】
タイトル出るところ。でもあそこもわざわざテープを巻き戻してもう一回聞く必要はなかったと思う。