2時間半の中々長い映画だと身構えていたが、内容に入り込めるのでまったく長くは感じない。「過去の事件を追う意義は？」 阿久津の記者としての疑問は、序盤誰もが同意することかと思う。展開が進むにつれ、その答えが明らかになる。
事件に過去か今かは関係なく、被害者とその家族は一生その重荷を背負い生き続けている。一方で加害者は金銭や自身の正義のみを追求し、自分が加害者であるという罪悪感すら持っていない。
テープの声を通じ、被害者の悲痛な「声」が、社会に明らかにされ、隠れた加害者がひきづり下される。
日々ニュースで報じられる事件事故の内容は決してエンタメとしての消費の対象ではなく、そこには見知らぬ人の一生が関わっているということに、鑑賞を通じ気付かされる。
