おき

罪の声のおきのネタバレレビュー・内容・結末

罪の声(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

野木さんの作品で大好きな源さんも出るということで、公開前から死ぬほど期待して楽しみにしてた作品。みてから結構日は経ってしまったけど、本当に良かった。

映画のキーワードが「声」。
小さい頃、なにも知らずにじぶんのこえをつかわれていた3人の子供が、それぞれ違う人生を歩んでいた。
一人は幸せに暮らし、一人は生き地獄のような日々、もう一人はこの世にはいない。
幸せに暮らしていた曽根さん(源さん)は、後の二人の今まで人生を聞いて何も言えなくなってしまっていた。
総一郎が曽根さんに、どんな人生でしたか?と聞いたとき、黙り込んでいたシーンが本当に印象的だった。
そして、のぞみちゃんが最後まで辛かった。のぞみちゃん役の原菜乃華ちゃん、本当に演技が上手で、苦しかった。劇場で声を抑えるのに必死だった。
総一郎役の宇野祥平さんも本当に演技が上手で、あの二人のシーンは全部すっごく胸が苦しくて痛かった。喉にずっと何かがつっかえて息ができなかった。

でも、最終的に総一郎が母親にのぞみちゃんのあの音声を聴かせたとき、涙と鳥肌が止まらなかった。
声で絶望と希望、どちらも味わっていた。すべてのきっかけが声だった。
確かに重かったけど、今のメディアの汚さとか、世間の厳しい一面とか、そういうものがひしひしと伝わるような作品だった。
本当に野木さんの脚本は、全部がしっかりとまとまって分かりやすいし何より面白い。だいすきぃ。

振り子もすっごく映画に合っていて、エンドロールでもずっと涙が止まらなかったなぁ。
おき

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