おばけの酸味

罪の声のおばけの酸味のレビュー・感想・評価

罪の声(2020年製作の映画)
5.0
グリコ森永事件を元にした物語。犯罪に『声』を使われた子供達の人生がすべて狂わされる、心が傷だらけになるようなお話でした。
エピローグが重々しい、しかしすんなりと身に染み渡る
そう思えるくらい、映画全てが繊細な作りで素晴らしかったです。


真相がわかった時の気持ちを表す言葉がわからない。
呆気、かもしれません。
でも、世界の歴史はこんなことばかり繰り返しているのかもしれない、と思うと自分でもよくわからない涙が出ました。
もう何に感情移入しているかもわからない状態でしたが、ただただ悲しさを感じていました。


誰かの不幸の上に成り立つ幸福、という言葉を耳にすることがありますが
求めていたものが 幸福 ですらなかったから、こんなにも悲惨なことを起こしてしまったのか。
作中でもとある人物が似たようなことを語っていましたが、人生が全て変わってしまうような映画でした。


宇野祥平さん目当てで鑑賞しましたが
実は役どころも把握していなかったので、出てこられた瞬間に息を呑みました。

身体が重いのが伝わる演技、見ているだけで喋れなくなってしまう空気を身体一つで作り出していて気圧されました……本当に観て良かった……
明るい話し方に『本来はこういう人なんだろうなぁ』というのが感じ取れて、ここで改めてこの事件の恐ろしさにゾッとさせられました。

額にぶっとい血管が常に浮出しているの、一体どうなってるんですか??すごすぎる…!



考え込まざるをえない最高の映画!演技も最高!
おばけの酸味

おばけの酸味