碧

バオバオ フツウの家族の碧のレビュー・感想・評価

バオバオ フツウの家族(2018年製作の映画)
4.0
描かれてることに賛成できないということで評価が低いんだと思いますが、私は最後まで興味深く観られたので、☆4 にします。

過去と現在を交差させて描いているので、事前にチラシのあらすじを読んでなかったら、話の迷子になったかも。読んでてよかった。

"同性婚を認めます"のその先の話を描いてると思う。
こういう事例やそれに絡むトラブルは、これから増えていくと思う。

私は『フェミニズムの帝国』(小説)の影響で、男性も胎内保育ができるようになれば良いのにと思ってるけど…(笑)

男らしさや女らしさ、家族の概念。男女差別。個人を大事にしたり医学が発達して色々なことが認められるようになっても、やっぱり色々なことから自由にはなれない。

同性を好きでも、家庭はやはり男女の家族をモデルケースとしなきゃいけないのか、とか。男女の夫婦の平均的家庭(という神話であるにせよ)を目指すのは簡単でも、それを外れる形は多様すぎて、正解がどこにもない。

そういう意味で、たくさんの示唆を含む非常に興味深い作品だった。

まあ、シンディの身体は大事にしてよ、とは思うけど…。
現実に、男性同士のカップルのお母さんが代理出産した話もあったし。何とかして、"自分たちの"子供を欲しいと思って色んな手立てを取る人はいるでしょう。



【ネタバレ】




チャールズとティムを死なせないで欲しかった。2人をその場から退場させるというやり方でない方法で、この4人と子供の何らかの未来を描いてみて欲しかった。
2人の仲直りのシーン、すごく良かったのに…( ; ; )

あと、ジョアンが、かなり情に薄い性格のように感じるのが気になった。ジョアンなりにシンディのことを想っているのは分かるんだけど…。
年齢差もあるので、関係が上下関係っぽくなってないか?という心配も出てくる。
2人が良ければいいと言えばそうなんだけど、フィクションなんだから、もう少し2人の愛情を感じさせるやりとりを見せてほしい気が…。
でもある意味、性格も含め、感情豊かで"女性的な"シンディと、コミュニケーション下手で"男性的な"ジョアンだからこそのこの2人の組み合わせなのかなあ、とも思う。

チャールズとティムは、お互い、男性的な部分と女性的な部分の両方を持ってるカップルなのになあ。逆に、タイプの違う2組のカップルがあることで、カップルの多様性があっていいのか。
碧