《日本の恋愛の映画》、Vol.8。
ここまで連続で観てきたからか、昨日観た『ぼくは明日、昨日のきみ〜』が開眼させてくれたからか、だんだん抵抗感無くなってきた。
苦手意識はこう解消されるのか。
そういう意味ではその抵抗感があったらこれは観れなかったかも知れない。よくやった、自分。
とはいえ、ここまでの8作で、これでLDH絡みが3作、片寄涼太。
そして、こっちも3作目、橋本環奈。
橋本環奈、やはり、日本のラブコメ界のヒロインか。
そして、LDH、ジャニーズやJUNON系にはない男っぽさ、の賜物か。
日本で絶対的な大スター的存在、片寄涼太。
いわゆる「抱かれたい男、No.1」的な存在。
一方の橋本環奈はしがない普通の女学生。
見た目がもう“普通”じゃないからそもそもそこに無理があるのをツッコむのは野暮って話。
この2人が片寄涼太の撮影にエキストラでたまたま居合わせただけでロマンスが始まる。
もっとオラオラ王子が庶民派女子を振り回し、上から目線で圧倒してくる系の映画かと思ったら違った。
ものすごいシンデレラストーリーだった。
いや、シンデレラストーリーであると共に、シンデレラの王子ストーリーか。
2人でこの絶対的な差を埋めたくて色んな障壁を超えたいと願う、けど、そうは問屋が卸さない映画。
絶対的ヒーローと、普遍的な女学生。
マスク越しのキス、からのデートの誘い。唐突に現れ、強引に花咲くロマンスに振り回される。
いきなり“おうちデート”。芸能人っぽい生活感に放り込まれる橋本環奈。
ちょっとわかりやすい“勉強一筋まじめキョドり女子”。
なんていうか、この映画がどうのとか以前に、百戦錬磨の手練れみたいなヒロイン橋本環奈が、逆に恋愛超ド初心者を演じる意外性。
なぜだか絶対的ヒーローに言い寄られて、1人でワーキャー上がったり落ちたりのハシカン、めちゃくちゃ可愛い。
純情すぎて不自然なほど可愛い。
いつものコメディイケるバラエティイケるハシカン感もなく、純粋なシンデレラをここに見た。
片寄涼太。
本業が俳優ではない彼が「アイドルから転身した俳優」の役、というなかなか複雑な役。
予告編でよく観た“鼻キス”。
「キスの予約、完了。他の男に触られないように。」
、、、ワオ。だわ。
眞栄田郷敦、橋本環奈の幼馴染役で、こっちの方が等身大の片思いの学生役として、庶民としてはこっちを応援したくなるムード作りがうまい。
彼、『東京リベンジャーズ』でももっと活躍してほしかった。
この映画でも、普通の庶民的思考で考えれば、断然郷敦派。
それと、エンケン。
登場回数は少ないけど、やっぱり映画として締まるな。“そのカンペ”でアレが一瞬で彼だとわかる存在感の強さ。さすがです。
演技がどうとは言わず、“別世界の住人”的な振る舞い、世界観、存在感と言えば、この片寄涼太は、橋本環奈側の庶民との隔たりは良い意味で感じた。
王子と一介の庶民の恋愛。
王子はオラオラいけども庶民の歴史ある彼女のバックボーンまではなかなかすぐには拾えず。
庶民も王子のことを思うも華やかな世界で生きる彼との距離や彼の苦悩を図りきれず。
それでも惹かれ合ってしまって、なんやかんやとお互い距離を詰めたくて、、、でもやることなすこと裏目に出る。
会おうとすればするほど、うまくいかない、伝わらない。
これが「住む世界の違い」。これをどう超えていくのか超えられないのか、、、。それを楽しむ映画。
登場人物も、相関図も、胸キュンシーンも、邪魔者障壁、価値観の違い含むシンデレラストーリーたる話の筋書きも、わかりやすすぎるほどお手本的要素満載の王道パターン映画。
本当にこれはもうマジでダメじゃん、ってなってからの、眞栄田郷敦、沁みる。わかりやすく、沁み入る。
1つ言えることは、自称“ずんぐりむっくりの松ぼっくり体型の私”橋本環奈、彼女にそこまで思われたら、人生かなぐり捨てでも、向き合えや。
泣かすなよ、馬鹿野郎か。
あの謎の京都弁美女、意外とあっさり。
京都の女ならもっと本音と建前でゴリゴリ無情にいってくれてもよかったのに。ラブコメではなくなるけど。
最後の成り行きはそんなことあるのか、と思うところはあるけど、それも含めてそれが起きたのだから“シンデレラストーリー”なのである。
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