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パブリック 図書館の奇跡のayellowbirdのレビュー・感想・評価

パブリック 図書館の奇跡(2018年製作の映画)
3.6
オンライン試写会で鑑賞!
エミリオ・エステベスが製作、監督、脚本、主演を務めたヒューマンドラマ!
オハイオ州シンシナティの公共図書館のワンフロアを、約70人のホームレスが占拠。記録的な大寒波の影響で、市の緊急シェルターがいっぱいになり、彼らの行き場がなくなってしまったのだ。彼らの苦境を察した図書館員スチュアートは図書館の出入口を封鎖するなど、立てこもったホームレスと行動をともにする。スチュアートにとって、それは、避難場所を求める平和的なデモのつもりだった。しかし、政治的イメージアップをねらう検察官やメディアのセンセーショナルな報道で、スチュアートは心に問題を抱えた危険な容疑者に仕立てられてしまう…。

今の米国が抱える様々な問題を浮き彫りにする作品!
主人公スチュアートは、公共の場である図書館を、多くの人に有意義に使って欲しいと考える極めてまっとうな職員。だから、時には他人に迷惑をかける利用者には退館を促すことも。ただ、それが有色人種だと差別的行為と問題視され、それを政治利用しようとする輩まで現れる。
大寒波で行き場を失ったホームレスに、一夜の宿を提供しようとしたのも、このままでは大勢の人が凍死すると思い、ムリに追い返せなかっただけだ。しかし、マスコミはそれを人質立て籠り事件と騒ぎ立て、一方、政治家はホームレスが諸悪の根元と支持層に訴えかける。
SNS全盛の時代、事実は置き去りにされ、視聴率や票集めのためのフェイクニュースが蔓延、大衆心理を弄ぶ。
私利私欲のない善行をも利用しようとする輩の多さに嘆息する。
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