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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊のりのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

やっぱりウェス・アンダーソンの色使いが好き。固定して撮るのとか諸々、小津安二郎感が強かった。ドビュッシーがかかるの良かった。
ウェス・アンダーソンは、映像と言葉それぞれが説明しすぎることなく、合わさるとちょうど良くなるバランスが絶妙。今回は雑誌という設定上、言葉が多かったので、ついていくのが大変だった。
コメディにツッコむのはヤボかなと思いつつ、学生運動を矮小化しすぎかなと思った。兵役体験の戯曲(劇中劇)が良かった。
(追記: 記者視点なので、大人から見た学生運動は、若気の至りで小難しい理論をこねくり回して着火しちゃった、くらいに見えるのかもしれない。それにしても、かなり切実な運動だったと思うけれど。)
最後のシェフの話が好き。途中までは、よく見るよろしくないアジア系の起用の仕方かと思ったけど、それではなかった。”I don’t want to be disappointed. I’m a foreigner, you know.”が分かりすぎて辛いけど、ちゃんとネスカフィエに言わせて、ローバック・ライトに聞かせていて良かった。ライトがカットした気持ちもわかるけど、書くよう指示した編集長は英断。
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