Frengers

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊のFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

監督の集大成的でもありつつ、さらに新しいキャストと共にその先を目指したかのような作品だった。一番近いのは「グランドブタペストホテル」かも。相変わらず情報の坩堝。今まで通り2時間以内におさめながら1.5本みたような気分に。
題材である雑誌という存在がマルチメディアであるように、実写、ストップモーション、アニメーションが混じりあう。それは記事が事実を元にしたフィクションであることと見事に相似する。水(涙)の配置と足下のショットによる死のイメージ、格子やガラス、窓の雪による繋ぎ、右移動による原因と左移動による結果、三つの物語における殺伐としたアイコンになることをモチーフにした物語はむしろ禍々しい。電気椅子のコードと物語の数がおなじなのも偶然ではないはず。自転車を漕いでいた人物が、自転車だけになってでてくる所に「七人の侍」を感じたりもした。
ティモシーシャラメはよくも悪くも若くドラマ然とし過ぎていたかも。特にフランシス・マクドーマンドと並ぶと彼の「動」は作品内で少し浮いてたような気がしなくもない。年齢を重ねた彼が楽しみ。シアーシャ・ローナンの配置も良かったです。
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