このレビューはネタバレを含みます
アマゾンプライムにて視聴。始まっていきなり「羊たちの沈黙」とそっくりの音楽が流れ出して不安になったが全体的にはよくできた秀作サスペンスだった。ヒロインが盲目であることのサスペンスとトラウマ克服と擬似姉弟関係を結びながらの捜査と結構な猟奇殺人犯とてんこもりの内容だけど上手く捌いてる。
激しいシーンでちょっともっさりしてるなあと思ったけどこれは意図的だと思う。ハリウッド映画のようなカッコ良い感じにはしないようにしようという意思が感じられた。それにしては音楽が強すぎるんだけど。他にもサスペンス映画っぽい演出をわざと避けているところが多々あり面白かった。
吉岡里帆さんと刑事役の田口トモロヲさんは最高にいい。他にも全体的にオーバーアクトがない感じの芝居が観ていて安心できる。刑事二人は可哀想だったかな。気になるのは儀式って結局何にもないんかいみたいなところくらいか。
オリジナルがそうなんだろうけどやっぱり内容的にも「羊たちの沈黙」ならびにトマス・ハリスの小説をかなり研究・分析して作った映画という感じがする。
スケボー青年がまず犯人に狙われたのが理屈に合っていてここで感心した。彼は金を貰って口止めされたのに喋ったわけだから通りかかった盲目の女よりよほど犯人としては許しがたいわけで、そこをすっ飛ばしてヒロインだからと主人公が狙われていたら私はこの映画を見損なっただろう。
犯人が舐めプしすぎなところはちょっと嫌なんだけどね(走って逃げるのを歩いて追ってくるみたいなの)。まあ許容範囲ではあったかな。