低予算映画を得意としているトロマ社が、カンヌ映画祭にて自社製品の売り込み作戦を決行する。ロイド・カウフマン率いるトロマ班の珍道中を追っている、ドキュメンタリー作品。ロイドは1971年から売り込みをおこなっており、本作では2001年が舞台となる。
ロイド・カウフマン社長は典型的な倹約家。何をするにも節約が最優先であり、同行スタッフもボランティアばかり。アホな映画ばかり撮っている人たちなので、売り込むための手段も見事にアホ。
とりわけ、映画のキャラクターに扮して町を練り歩く「ちんどん屋」が圧巻であり、ハチャメチャなトラブル・メーカーぶりに笑わせられる。そして、持ち前のポジティブ志向で飄々と応対していく、ロイド社長がやたらとカッコいい。
独立系特有の反骨精神で逆風に立ち向かいながら、口八丁手八丁でメディアの目線を操作していく。カブキマンの原案者であるギャガ創業者が顔を出す場面、ロイドとロジャー・コーマンのツーショットが拝める場面など、見どころは枚挙に暇がない。