このレビューはネタバレを含みます
"光関係" (2017)
冒頭より 少女木村 は電話を盗聴中
ノイズが流れている
と同時に
盗聴により周囲の気配や喧騒を感じつつ
木村は"独りである"ことを示す
常に目が虚ろ 表情も虚ろ
リストカットで暗転
病院の廊下のシーンへ移って
ここでも目が虚ろで表情も虚ろ
自殺に失敗したことが分かる
この直後 高校時代の友人であろう
武富はトイレでマスターベーション
メガネに反射するAV映像
マスターベーションしてるんだか
してないんだか正直分からない
水に流す
それから2人の再会が唐突に挟み込まれる
ここで一旦停止させられる
そもそも後ろ姿しかみてないのに
武富が「(木村さんだ…)」って気づく
不審な展開
半端じゃなく白々しさを感じてしまう
とにかく出会い方が雑
<2人の会話>
武富:今何してるの?
木村:盗聴してる
本来なら『何で(自分が)盗聴してるのか』
をちゃんと説明しなきゃいけないはずで
木村=ヤバい奴
になるんだけど
何故か普通に武富が受け入れちゃってる
ここも雑
以降代々木のビルの屋上で
2人が電話を盗聴していく
時折周波数を変えていき
流れてくるノイズにメッセージはなく
木村&武富の会話が続く
盗聴中の一コマ
>(カップルの会話に対して)
裸がみたいとかそこまでして
一緒にいたいのかな
>スタバとか行ったことない
>(詩の朗読を吹き込むメッセージに対し)
ストーカーかな
盗聴の最中 2人が会話してるシーンは
盗聴と被ってほぼ会話が聴き取れない
その一方
盗聴中に挟み込まれる数々のシーン
・車が行き交う
・マンションの窓の光
・団地の公衆電話
・高層ビルの光
発光した風景
曖昧な風景
が重なって淡い夜の世界を映す
"盗聴ノイズ" と "景色"
を並行して描くシーン
これを淡々と続けることから
生活=ノイズ
ノイズ=ストレス
生活=ストレス
だったということがここで初めて分かる
2人の夜は明けて
昔聴いていた音楽を一緒に聴く
「とんねるずの食わず嫌いに出たい」
「矢島美容室か」
などなど 同時に妙な雑談をしている
ラストシーン
木村はコンビニで買い物をするが
その姿を武富がスマホで撮って
インスタへアップする
その姿は不気味なほど
満面の笑顔で映画は終わる
いやはや
何で木村はいきなりあんなに
笑えるようになったの?
武富に救われたから?
夜が明けたから?
曖昧すぎて何かよくわからない