愛と憎悪・セックスと暴力という具合いにストレートな本能を描き出した作品
タイトルが表示された瞬間もそうだし 内容もそうだけど 園子温監督の影響をモロに受けている(実際出演してる役者も園監督作品に出てる)
以前に「脂肪の塊」っていう同監督の作品を観たけど よりバイオレンスさが上昇してた
特に性的描写は明らかに増してる
内に秘めた爆発しそうな殺人衝動・暴力性・猟奇性を常に秘めて抑え込みつつ
もう一つのペルソナと付き合っていく
ストーリー基盤はパラノイアなんだけど「赤」の表現(血であったりバラだったり)が前作からも続いてた
スーパーマーケットでの流血シーンも前作同様出てくるんだけどスーパーマーケットで事件を起こす こだわりがあるんだろうか
フェミが主のドロドロした社内人間関係も勿論脚色した形ではあるんだろうけどトラウマでもあるのかっていうくらい鬱々としてる
不器用さや優しさが仇にあるっていう考えも根底にあって
「(他人に)ナメられたら終わりなんだよ」っていう姿勢も常にある
「先手を打たないからこうなった」ってフレーズも所々差し込まれる
監督自身の経験からのトラウマなのか不安感からの支配欲も描かれてる
ムダがなくかっちりしてて中だるみもしない感じは非常に性格的な要素が強いのかなとも思う
所々人物のイメージの差し込みをすることで人物をより際立たせて印象を作り出してるけど
差し込んだ結果「その人物について考えてる(囚われてる)」という印象が続く
幸せの形・感じ方はそれぞれ違うけど結局は他人の目を気にしたイメージに囚われてるということで「幸福に囚われてる」ということが描かれてる
幻覚妄想により精神を追い詰められ 職場の人間と戦って 最終的には自分と戦う
精神を病んでいく構造(過程)の話でなかなか興味深い作品だった