kaitomo

幼い依頼人のkaitomoのレビュー・感想・評価

幼い依頼人(2019年製作の映画)
3.7
ひたすら無力な子供が可愛そうで、何もできない社会に苛立ちを感じ、毒親にヘイトが溜まっていく。キツイ。
主人公のキャラクターはリアルで、平凡な小市民でも頼ってきた子供があんな酷い目に合ってたら立ち上がるしかないよな!と思わせてくれる(それでも立ち上がらないのが普通の小市民なのだろうが)。
ただ児童を殴りつける義母は、背景もほぼ描かれずに、圧倒的な「悪」として君臨する。貧困とか、当てはめやすい話にしたくなかったのかもしれないが、彼女も完全にぶっ壊れているのに、問題の根源すらよく分からないのがまたキツイ。社会派映画としては、構造をもう少し解明する設計でも良かったのでは。
それはともかく、映画的に都合の良すぎる証拠が実はありました、ってのは萎える。あんなものがなくてもキッチリ追い詰めて欲しかった。
実際の事件を調べると更に陰惨で滅入った。逃げ場は本当に大事。
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