このレビューはネタバレを含みます
14歳の少女の眼に映る世界の焦点の合わなさには覚えがある。
最近、映画の中で解決せんでもええやないかと感じることが多くなったところにウニが生きる不条理な世界の小さな点の描写は、かえって圧倒的なリアリティを感じます。
妹を殴る一方、食卓で突然泣く長男、誰もいない部屋でダンスの練習をする父親、心を置き忘れた母親、学期毎の友人やボーイフレンドの存在、なにもかもクソだけど、そこから逃げるには若すぎる。
「私の人生もいつか輝けるでしょうか」そう心から伝えたかった人はもういない。
見ないようにしてきた14歳がまだ自分のどこかにいることに気づかされ心は千々に乱れてしまいました。
どこでこの映画を観るか考えたけど池袋TOHOで正解。