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はちどりのchamのレビュー・感想・評価

はちどり(2018年製作の映画)
4.5
90年代半ばの韓国。中学2年生の主人公のウニは私よりちょっと上の世代だけど、子どもの頃を思い出すと日本人の私にもなんだか身に覚えのある世界。世の中の理不尽さに気づいたころの息苦しさを思い出す。
昔の中国映画や台湾映画を思い出すような雰囲気もあって、どこかアジア共通の空気も感じる。韓国だけど、先生に烏龍茶を教わり茶器で烏龍茶飲むシーンはほっこり。
私も親が不在の事が多く、ジャイアンみたいな兄がいる3人兄弟の末っ子に育ったので、力でねじ伏せられても屈してしまうウニに重ねてしまう部分がありつつも(私は大人になったらいつかやり返してやると思ってたけど💦)、大人になり、親や兄弟もそれぞれ抱えてたものがあったことを理解しはじめるとやるせない気持ちになる。この時代の韓国の状況と私の状況はだいぶ違うのかもしれないけど、彼女がぶつけられる言葉や暴力がきつすぎて、ウニの父や兄が娘や妹が死ぬかもしれないということに直面して初めて涙を見せる姿には胸が苦しくなりつつもどこかほっとしてしてしまいました。
ウニを裏切る友達に対しても彼女の苦しみの行き場のなさに心のどこかで同情してしまう。
学校や家族という人間社会の空気を敏感に感じながらも、大人たちの圧にどうにもできない14歳。何を解決できるわけでもないけど、ヨンジ先生みたいに対等に向き合ってくれる人の存在って大きいよね…。
ああ~トランポリンで跳ねたい!
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