おーもり

ブラック・ウィドウのおーもりのレビュー・感想・評価

ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)
3.3
久しぶりのMCU。公開劇場少ないもんだから、普段行かない映画館へ汗だくへ駆けつけました。
時系列はエンドゲーム後ではなく、シビル・ウォー後、インフィニティ・ウォー前。
待ちわびていた身としては、MCUとしての話は前進していない点がちょっと不満。

ナターシャの妹エレーナとしてフローレンス・ピューが参戦。ある村での祝祭で心配していたけど強くなったんだねぇ(別映画の話)
スカヨハと同じくちょっとハスキーな声で姉妹揃っていい感じ。
気だるそうに姉のスーパーヒーロー着地をいじるイタズラっ子がキュートでした。

「目を覚ませ あなたの力はあなたの為にある」
本作から受け取ったメッセージはこれにつきる。
強い立場にある相手を殴れなくても、知性で勝る。そしてその縛りは自分で打ち破れる。
無意識にその縛りに従ってるあなたも目を覚まして。
だってあなたはもともと最高の力を持ってるのだから。

男の自分がいうのも何様だ感が満載で気が引けるが、マーベルから弱い立場にある人たちへの激励だと感じた。
アベンジャーズは救ってくれなかった。というセリフも身につまされる。
助けを求めている人がいるのは知っている。自分はどちらかといえば不自由していない。
他の強いきちんとした人(ヒーロー)がきっと助けてあげるっしょ。なんて甘い考えは加害者側と同じだ。

上記の感想は終盤の戦いに凝縮されていたもの。見終わった後この印象が強いが、それまでの序盤~中盤のストーリーはまぁ楽しかったけど普通。
るろ剣と同じく、過去の罪をどう償うのかってテーマ。
普通じゃない人生を生きる者が寄せ集まってささやかな普通の暮らしを擬似体験し、それが血筋を超えたファミリーになる。それって、アベンジャーズでナターシャが感じていた幸せとも繋がる。
エンドゲーム序盤で絶望に一歩足を踏み入れていた彼女は、指パッチンでの家族の消息を知っていたのだろうか。

ただ残念、最高潮は本編じゃなくて、上映前の今後のMCUラインナップの圧倒さだった。
1年近く止まったMCUの物語が、怒涛のタイトルと共に帰ってきた。
未来はこんなにも希望に溢れていたと思い出し涙出た。