Sari

愛欲のセラピーのSariのレビュー・感想・評価

愛欲のセラピー(2019年製作の映画)
2.5
2021/09/15 ムービープラス(録画)

『汚れたダイアモンド』(2016)のアルチュール・アラリ脚本。

元小説家の女性セラピストが、妊娠して情緒不安定な女優の依頼を請けることになり、彼女のプライベートや仕事に関わることで、自らの恋愛、家庭の悩みにより混乱していく話。思わせぶりなポスターから女性同士の恋愛に発展していくのかと思ったが、女優のお腹の子の父親は、撮影中の映画の主演男優で女性監督と三角関係にあり、撮影に同行することになったセラピストが介入し…。
エロティック・サスペンス(?)ドラマと言うべきか、雰囲気やテーマ性は良いが、やや盛り込みすぎな物語で、セラピスト役にも魅力を感じず。脚本担当アルチュール・アラリが監督したほうが良かったのかもしれない。(汚れたダイアモンドは現代フィルム・ノワールで、古典的かつ切れ味がある映像が良かった。アラリ監督作品がまた観たい…。)
冷静だった女性監督ミカが撮影時にとうとうキレて海へダイブするなど、展開はなかなかに激しく面白い。海に面した火山地帯での撮影場所の景観は美しく、海上ヨットでの水着姿、ラブシーンの撮影風景など披露している女優役アデル・エグザルホプロスの小悪魔的な美しさは歳を重ねても健在。アデル、ブルー以来役のイメージが定着しているが、彼女の持ち前の演技力、特にしゃくり泣きの演技を超えたリアルさは相変わらず素晴らしいだけに勿体ない。
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