みゆき

燃ゆる女の肖像のみゆきのレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
3.8
カメラがない18世紀のフランス。
お見合いのための肖像画を描く女性と描かれる女性のお話。

ヒロインの描く肖像画のようにとても美しい映画だった。
全てが絵画的。
若い頃「映画好きなら戦争前後のフランス芸術映画を観なくちゃダメだ」と思い込んで無理やり何本か観たんだけど、セリフのトーンが似ている気がする。
背景に音楽が無く、波の音と館の中の生活音、女性3人の会話だけが聞こえる。
静かさがとても心地よい。
唯一流れるヴィヴァルディとエンヤの「オリノコフロー」風の合唱がよけい耳に残る。
2人の関係が美しいけど純愛でも悲恋でもなく、本当に繊細で複雑でどう捕らえていいのか分からない。
ラストはどういう意味なんだろう?
私には理解出来る気がしない。
今年は女性がメインの映画が多くて楽しかったけど、今作は登場しない男性達の手のひらで転がされている映画だった。父親、婚約者、妊娠させた男が彼女達を支配している。😭

Filmarksのレビューが皆んな詩的で美文のオンパレード。
美しい映画は観た人を詩人にするんだね。👏
みゆき

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