maduu

燃ゆる女の肖像のmaduuのネタバレレビュー・内容・結末

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

心の焼きつきて離れない映画。
「水の中のつぼみ」が大好きで、待ちに待った公開日(こっちは大幅遅れで歯痒かった〜)
自分の中で特別な映画になりすぎてずっと心の中で咀嚼してたけど忘れないように記録。
水の中のつぼみでもミューズをつとめたアデルがふたたびミューズとして描かれた本作。シアマ監督が元パートナーである彼女に当て書きしたこの映画は水の中のつぼみとも美しい対比になるシーンなどが多くありこの2つの作品をより特別な物にしている。
水の中のつぼみと共通点がある部分としてエンディングがアデルのアップと音楽の組み合わせで終わるところとか、ソフィの堕胎を再現するシーンとかもアデルが逆の立場で同じような体制のシーンがあったり、
登場する人を意図的にグッと絞っていたり(子供しか画面に映らない、男が画面に映らないとか)
女の子同士の恋愛と、同性間の連帯が3人の中で描かれるとことか
共通する全ての部分がシアマ監督の映画においてすごく印象を強く残す部分で、その箇所箇所で胸が熱くなりました。
いやもう燃ゆる女はオープニングから全てのシーンがもう良すぎて、、、、うう
2回目観たとき膝から崩れて落ちそうなぐらい泣いちゃったわ。扉閉めるとこでね。
もうどこがいいとかないぐらい全部がいいんだけど、同性同士の恋愛の描写が女性監督だからこその、願望めいたリアリティのなさが皆無でヒリヒリとリアルさがあるのと2人の間に上下関係がないところ。
そこにソフィが入って心地よい連帯感が生まれるところ。お母さんが出かけたとたん特に使用人でもなく歳の近い女性3人の姉妹のような信頼関のあるやりとりがいいんだよねぇ。マリアンヌが屋敷を去るときにソフィとの別れのシーンがあるのもいい。あまり表情を動かさないソフィが1番感情を出す場面でマリアンヌを慕っていたのがわかるし立場の違いからもう会えないことがわかってるのも切ない。

マリアンヌがエロイーズを一生のミューズにすると言っているんだけど
作中で登場する3つのエロイーズをモデルにした絵が肖像画→オルフェ→燃ゆる女の肖像の時系列的に描かれてると思われるけど、顔が不鮮明になってぼんやりしていっているのもとっても切ない。
監督がインタビューで語っていたことだけど、「ミューズ」の名の下での搾取行為への疑問を投げかけていて、男女感で生まれる強弱関係ではなく同性間でもその視点の疑問を持ってるのがさらに射程の長い作品になってると思う。
エロイーズの観察される側ではなくこっちも観察しているっていゆうセリフからもそうゆう部分が描かれてる。
あと、エロイーズのセリフで印象に残っているのが笑ってもすぐに消えてしまうとゆうマリアンヌに対し、怒りが勝りますと答える部分。18世紀のフランスから今も変わらない部分が多い女性への圧力への現代にも続く怒りがあるんだよね。(と勝手に非常に共感してしまった)
オルフェの神話の引用なども別れ場面への布石でもあるし、それぞれの答えでもあるのもいいよねぇ
ソフィの、は?なんなの夫ひどすぎない?!ってゆう純粋な反応もかわいかった。
以上私の個人な主観の記憶の覚え書き。
maduu

maduu