ふぉれすと

燃ゆる女の肖像のふぉれすとのネタバレレビュー・内容・結末

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

「女にしか分からないことが凝縮された映画」
官能的。全てにおいて。秀逸。音も音楽も光も初めの海に入って誰も助けてくれないというシーンからの情景描写も脚本も。
まだモデルになってもらえない時の観察したことをばれないように隠れて思い出し描き出すことは恋してる時に頭の中で相手を思い出して噛み締めて自分の想像の中でぐちゃぐちゃになっていく感覚と同じ感覚だなと。
中絶のシーンで子供を画面内に入れるのはとても残酷だった。もう手に入ることはない自分が生み出すことができたであろう新たな命の温もりと光景、んで今行われてる命の殺戮
が同時でどうしようもなく辛かった。
中絶の現場を再現する形で画を書いてもらうという作業。1人ではできない。
また同じ辛い過去に殴られることになるけどそれを第三者が観ることで辛いだけじゃない出産してるんかもしれないって違った解釈をもらうことができる、共有できるってのが
芸術で何かを作って観客に消費してもらう。それで救われることと同義だなと思った。

自分が同性愛を描いたものに惹かれるのか
わかった気がする。縛りがあるからこそ出てくる決して叶うことは許されないこの感じ。

共犯って言葉は心がチリってする響きだったな。
今でこそ写真ですぐ残せることが昔では画を書くことやったんやろな。
絵描きの中絶した経験とか姉の死とか明かされてないけどちゃんとキャラクター設定の細かいところが成された丁寧な映画。ちゃんとメロドラマで同性ものは画の雰囲気さえあればとかあるけどちゃんと内容もある。

男性は書かない理由で私は女だからって言ってて確かにどうしたって男性には分からない部分が必ずあるな、と。女しかわからない部分。

女には制約がある。