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燃ゆる女の肖像のucandoitのレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
4.0
2019年 セリーヌ・シアマ監督
Portrait de la jeune fille en feu

18世紀という女性の権利が大分低めだった頃の女性職業画家マリアンヌ、元修道女で姉の自殺のため結婚させられるエロイーズの禁断の恋の話。エロイーズ付きのメイドであるソフィーと母の伯爵夫人しか殆ど出てきません。
象徴的なシーンが多く、また女性の心情なので理解が追いついていない気がしますが美しい映画で悪くない気がします。
ヴィヴァルディ「夏」が不吉感を演出するエンディング。


ネタバレ備忘録
絵は完成するが気に入らないエロイーズ。
モデルになると言い出す。
伯爵夫人が不在になると急に打ち解ける三人。身分を超越した女子会が可愛らしい。束の間の幸せ(カードに興じるシーン)。
静かな愛の話を彩る二人はどちらかと言うと男顔かな。お互いを観察し合う二人。
エロイーズの青い眼。
オルフェウスの神話。
焚き火での島の女性達のアカペラコーラスがカッコいい。
振り返るエロイーズ。
火がつくドレス。
冥界のような洞窟でのキス。
階段を昇って振り返ると白いドレスのエロイーズ。
一夜を共にする二人。
ソフィーの堕胎。そばにいる赤児。
ソフィーとエロイーズをモデルに描く絵。
脇毛。
振り返るといる白いドレスの幻想。
口移し。
伯爵夫人の帰還。激しく動揺する二人。
完成した絵は内面を映し出す。
マリアンヌ用の肖像。
自分のヌードを本の28ページ余白に。
鏡はエロイーズの股間。
最後の夜に見つめ合う二人。
新しい感情は後悔。
思い出して。
エロイーズの居眠り。
カードで負けたマリアンヌの不機嫌な顔。
別れの朝、白いウェディングドレス。
階段を駆け降りる。
振り返って。
現在。
最初の再会、展示会のオルフェウス。父の名義。
エロイーズと娘の肖像。28ページ。
最後の再会、劇場のバルコニー。私を見なかった。思い詰めた表情、涙。自嘲の笑い。
エロイーズはもういないんだな。
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