オードリー

燃ゆる女の肖像のオードリーのネタバレレビュー・内容・結末

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

静謐さと完璧なくらいに整えられた恐ろしさを感じる美しさ

それでいて人の曖昧さ、矛盾を実感するような内容でもあった

BGMは一切なく自然な音だけで映像に集中させられるような
説明的なモノローグ等もほぼない事も逆に引き込まれる

服装等の世界観も相まってまさしく絵画のような画面に感じた、光とか火とかのイメージも

この時代には写真もないからその時を映像として振り返ることが基本的に難しくて、思い出だけが残って曖昧になっていく。
映画だけでなく小説などを読んだ時の気持ちや雑なメモも含めて、忘れていく事の怖さを近年すごく感じるようになってこういったレビューのようなものを書いたり、写真を撮ったりすることも増えた。
当時はその恐怖もとてつもないほど大きかったのだろうなと思う。
しかしながら絵に残すことで思い出を書き留めるなかで、そうすることで逆に実際との差が生まれてしまうもどかしさもある。
特に顔ってとても印象に残っているはずなのになぜか頭のなかで再現するのが難しくてもどかしく感じることが多い気もする
恋愛経験の薄さからか、2人の情事に対する思いよりはそんな事ばかり考えてた。


所々現れる白装束のエロイースは失う恐怖か決まった運命への予感みたいものかな
燃ゆる女 儚さが溢れる 笑顔が寂しい
ラストシーン 合わない視線 振り返ることをしない 嵐のような演奏とともに叶わない願いを思う気持ちが掻き立てられる
オードリー

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