EDDIE

バクラウ 地図から消された村のEDDIEのレビュー・感想・評価

3.7
吹き飛ぶ頭、突き抜ける銃弾、ゴア描写満載のブラジル映画。社会の縮図のような田舎の村…だけど舐めてかかってはいけない。黒澤明やウエスタンにも影響を受けた描写の連続にニヤける。ただもっと派手にかましてくれても良かった。

タイムラインでの評判がなかなか良かったので気になって鑑賞してまいりました。
ブラジル映画は初めて観るかも。
いやぁ噂に違わぬ、なかなかの面白さ。
むしろ最初に情報を入れ過ぎたせいで、もっと情報を遮断して真っ白な状態で観ればもっと楽しめた気がします。

これはアイデアが秀逸なB級映画って感じですね。
終盤のドンチャンは黒澤明監督の『七人の侍』を想起させる内容でしたね。オマージュもふんだんに散りばめられているようです。

物語上の架空の村“バクラウ”。インターネット上からも消されてしまった小さな片田舎には、世界から分断されながらも密かに生活をする村人たちがいました。

これ実存する脱走奴隷たちが作っている孤立集落をモデルにしているよう。
外部から物資が運ばれ、水を貴重な資源として大事にしているところなど共通点も多いとのことです。

前半は不穏な空気を纏った村の模様とその村に忍び寄る謎の出来事をじっくりと描き、後半そこまでにたまった鬱屈とした雰囲気を解放するかのように一気にゴア描写が爆発します。
戦いの開幕と言えばいいでしょうか。その瞬間はさすがに腰が抜けた感覚で驚かされました。

ただ勢いが凄かったあまり、終盤になるにつれてちょっと尻すぼみした感覚。

同じ2020年公開作品と比較すると、『ランボー ラストブラッド』や『ザ・ハント』の方がインパクトとしては個人的には上でした。
とはいえアイデア勝負の本作は想定外の展開に驚くとともに、ゴア・グロ好きにはたまらない演出も多発します(逆に言えばゴア描写苦手な人は絶対観てはいけません)。

それにしても本作で重要人物マイケルを演じるウド・キア。今年日本公開作品で『ブルータル・ジャスティス』や『異端の鳥』と製作国の異なる作品に立て続けに登場。
本作はウド・キアとソニア・ブラガの2人が引き立て役となったことは言うまでもありません。凄まじい存在感でした。

Twitterのフォロワーさんのツイートで観ることを決意した本作。
処刑人たちvs村人たちの構図が、まるでドラクエ6のライフコッド襲撃イベントのようだと。どちらかというとFF派の私ですが、ドラクエは6が一番好きで何度もプレーしたぐらい。確かに雰囲気としてはめちゃくちゃわかります。だから戦闘シーンはドラクエ6さながらでワクワクしました。

※2020年劇場鑑賞161本目
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