どらどら

バクラウ 地図から消された村のどらどらのレビュー・感想・評価

5.0
- 俺の土地で何をしてる?

これほどに怒りに満ち満ちている映画を観たことがない
この映画は、寓話という形で世の全てに血の制裁を下す

拝金主義、帝国主義、快楽的暴力、人種差別、性搾取
全ての”アメリカ的なもの”への純粋な怒り

血には血を
暴力には暴力を
死には死を

この物語でバクラウに降りかかる暴力は、形を変えて、今日も世界のどこかで繰り返されている
それもきっともっと巧妙な形で

バクラウの地は消せない
全ての”アメリカ的なもの”は自らの足で消え去るべきである
さもなくば、死あるのみだ
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イカれたサイコムービーのように見えて、侵略者側にアメリカ(=ひいては現代社会)の負の側面の全てを仮託するという荒技
寓話的な形態をとることでのみぼやかされ、可能な挑戦的表現である

しかもこの現代批評性を有しながら、映像的快楽に満ちているので全く飽きない
展開を追うだけ、行われる暴力をフラットに見るだけ、でもめちゃくちゃ面白い
だからこそ、そのメッセージがむしろくっきり浮かび上がってくる

自分はどちら側でこの暴力に加担してしまっているのか、改めて考え直す必要がある

この映画の描こうとしていること、劇中の暴力そのもの以上によっぽど過激である
どらどら

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