ヴぇる

キーパー ある兵士の奇跡のヴぇるのレビュー・感想・評価

キーパー ある兵士の奇跡(2018年製作の映画)
3.4
導入は第二次世界大戦中につき、若干の戦争シーンもあり予告とは違う重さのある作品かと思われたが、それは序盤とラストだけであり、基本は正にイギリス映画といった感じのスタンスだ。

正直脚本は面白そうだと感じたし、予告もまずまずだった。しかし本編に驚きがあったか?感動したか?と問われればそこまでエモーショナルな感情が呼び起こされる事はなく、ただ淡々と物語が進行していくだけであった。
ドイツ側からみた彼自身の心境や心づもりがあまりに淡白でどうにも感情移入出来なかったのが要因の一つだろう。
彼の胸中を図る場面はラストにやってはくるが、展開の駆け込み感は否めず腑に落ちるものではなかった。
また、チャプター毎に深いテーマがあった訳でそれらをキッチリ考察し掘り下げれば名作たる条件は揃っていたのに、どうにも言葉に深みや重みを感じる事が出来なかったので非常に勿体ないと感じてしまう。
例えばパブで旦那が糾弾されている所に妻がやっていて演説する場面は悪くは無かったが、よくある言葉の羅列でありオリジナリティは無かったように思う。

ただ、個人的に良かったのは昨今コロナのおかげで世界中どこを探しても満員のスタンドを見ることは叶わない状況でスタンドの盛り上がりを感じさせてくれたことに感謝を述べたい。

全体的にはまずまず悪くは無い出来ではあるが、何がか特筆して素晴らしいか?と問われれば難しい作品で、脚色も非常に多く諸手を挙げて賛辞を送れるとは言わないがバートトラウトマンという偉大なGKに敬意を表して映画の評価からプラスαしてスコアを出した。
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