キーパー ある兵士の奇跡の作品情報・感想・評価

上映館(21館)

「キーパー ある兵士の奇跡」に投稿された感想・評価

KS

KSの感想・評価

3.5
第二次世界大戦に従軍し、戦後マンチェスター・シティで活躍したドイツ人ゴール・キーパーであるトラウトマンを描いた映画。

戦争責任は誰にあるのか、スポーツにおける国のプロパガンダとして機能する側面や、街のコミュニティとして機能する側面も描かれているが、それらは時に偏見を助長する事もあれば、偏見を無くす事もある。

トラウトマンをドイツ人という枠組みで見るのではなく、個人として捉える事ができるかというように、私たちも普段の生活上でどこまで個人として人を尊重する事ができるのか、そんな事を考えた。

しかし、従軍慰安婦の問題など歴史修正主義のように国の責任を無かった事にするのは違う。なぜなら国と個人の戦争に対する責任は別のものだから。

そんな事を考えていると、スポーツを題材にしている事で頭をよぎるのは連帯責任という言葉。こうした言葉がスポーツの場面で教育という名の元に使われている日本では、それにより責任の所在が曖昧になるだけでなく、偏見や差別も再生産する事になるのではないかと思った。

選手交代がルールとして無かったり、今の感覚では信じられないようなスポーツであった事を思い出したが、それが半世紀前ぐらいの話なのだから…

エンディングを、筋金入りのマンチェスター・シティ・ファンとして有名なノエル・ギャラガーが歌っていたのには、一曲だけニュアンス違い過ぎるしと笑った。
Ken

Kenの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

想像してた内容と少し違ったけど、面白かった!
戦争が生む悲しみに触れながら、元ナチス兵のトラウトマンの生涯を描いたヒューマンドラマ。

そうきたかって感じ。「42」みたいに、もっとチーム内での軋轢、普段の暮らしで受ける迫害にフォーカスを当てても良かったかなって途中思ったけど、ラストまで観ると、これはこれでありか!って思えた。あくまでもトラウトマンがメインの話では無く、戦争が悲惨さ惨さ、悲しみにもフォーカスが当てられてたのが良かったかな。

トラウトマン同僚のフォワード意外と良いやつじゃん。PKで勝負するとか、ピュア過ぎて笑ったよ笑。PKが終わった時に、ムカついてバートに切れてる場面でも、決して彼のことをナッツィーって呼ばなかったところでグッと来た。てか、お別れ会までやってくれるなんてびっくり。やっぱりチームと仲良くなるまでの過程をもう少し描いてくれてても熱かったかな。

バートがフレイアの部屋に行こうとするのを必死に止めようとするお父さんが可愛かった笑。そして、フレイアフレイアで、バートが部屋に戻って来たら部屋に居るとかずるいわ笑

スマイス軍曹、めっちゃ嫌なやつだったけど、彼もまた息子2人と奥さんを戦争で失ってたのね。お父さんも言ってたけど、イギリスとドイツ双方ともに、皆傷ついてたんだな。戦争は、終わった後でも生きてる人達に大きな苦しみを与えるものだって事がよく分かる。

戦時中に、悲しくも死なせてしまった子供の話には驚き。そう言う事だったのか。そりゃ自分の息子が亡くなったのも、そのせいだと思ってしまうよね。あの事故はショック過ぎる。。ここに来ても尚バートに辛い思いさせる神様っていったい。。でも、奥さんも言ってたけど、バートだけの話じゃないよね。奥さんも同じように悲しんでる。バートの責任とかそう言う話じゃない。

バートが復帰したときの周りからの歓迎には感動した。それだけ認められてるし、愛されてる選手になったんだなって。マンCに入りたての頃からすると、想像も出来ないよね。彼が自分の実力をプレーで示すことで、少しずつ認められていき、入団当初の大バッシングから大歓声に変わったののにはグッと来た。同じ場所のはずなのに、見える景色が180°違う。

こんな凄いサッカー選手がいたなんて知らなかった。プレミアリーグで、外国人として初めてMVPを取った人だなんて、本当に凄い。サッカー界はもちろん、イギリス国内にとってもこれは大きな前進だったと思う。

バート•トラウトマン、本当に波乱万丈な生涯だった。後に更に息子2人が生まれて、家族4人で幸せに暮らせたそうで、良かった。奥さんの方が結構早くに亡くなってしまってるけど、その後も元気に生きてくれてたと願いたい。
イギリス・ドイツ制作らしい真面目な映画である。にしても、単なる兵士だった人物が、晩年両国(英・独)から勲章を与えられるとは人生、どう転ぶかわからんものである。
しかしながら戦争において敵対してた男女が、いきなり結婚するなんて飛躍し過ぎで驚いた。とは言え、事実だからしょうがない。
ただサッカー場面を中心に描いているので、エピソード的には単純で深い内容ではなかったのが惜しまれる。主人公の戦時中のトラウマ的出来事も話としては弱いし。まぁ、でも劇場に足を運ぶ価値のある映画であることは確かかな。
けろえ

けろえの感想・評価

4.4
いやあいい映画でしたー。

ただ、脚本のせいかなー、時間配分がイマイチで、えっ⁉︎、と唐突に感じる部分アリ。なので少々駆け足でサラーッと流れていった感じも、なきにしもあらず。

でも、国や人種が違っても、人間としての価値は貴重で変わらないっていう、映画がいちばん言いたかったことはとてもよく伝わってきました。

主演の俳優さんが、アーミー・ハマーを小さくして、ぽちゃっとさせたような感じで、愛嬌があってステキでした。

ところでジュリアン・サンズどこに出てた⁈
監督が2人とも寛容で良い人なんだよなぁ。
主人公を叱咤激励する奥さんのチェック柄コートがオシャレ。
予告が良かったので泣く気満々で行きましたが、まあまあ。泣きはしませんでした。


もう少し戦争の負の部分をしっかり見せてフリを大きく作って欲しかった。
マーガレットがバートに惹かれていく様もなんだかあっさりしてたし
周りの見方が変化していく過程も簡単すぎた気がします。
テーマ的な事もすごいセリフで言うし。

悪い映画ではないけど期待値は超えてこず、所々見せ方も上手くないなーと感じてしまいました。
バートにペンダント?が渡される時とか特に。
マクロな大胆な省略が上手くいってる所もあるのに、シーンで見るとそうでない所が多い。

あと決勝ってFAカップかい!となりました。

映画のスポーツ描写はやはりムズイ!!
よくサッカー見る立場からすると、ディフェンスがウイイレCPUレベル「ビギナー」のプレスの弱さに見えてしまいました。
事実に基づいた映画ならプレイシーンは基本的に当時の映像流した方がいいですね。
元ドイツ軍の兵士が収容所でサッカーをしているところを地元の監督に能力を見出されステップアップしていくも偏見や差別とも闘っていく実話をもとにした話。

原因は違えどどこにでも偏見を持って扱ってくる人たちもいれば、それに関係なく愛してくれる人、対等に戦ってくれる相手がいる、そんないろんな人との巡り合いの中で自分がどう向き合っていくか、そんなことを考えさせられる話だった。

ハリポタシリーズ出演のダドリーことハリー・メリングがまたいい演技をしていて素敵だった。
それぞれの立場が丁寧に描かれた作品。選べなかった自分と選んでつかんだ今の自分。誰もが彼を応援せずにはいられないはず。エンディングの曲も良かった。
TKsss

TKsssの感想・評価

3.6
「キーパー」というポジションが本作に深みを出しています。
ライ麦畑の「キャッチャー」といい特別なポジション。
予告観た時から期待していてた作品!すごく良かった!
ドイツ兵の捕虜がキーパーの才能を地元のサッカークラブに見出されて、マンチェスターシティで活躍する物語。すごいサクセスストーリーだけど戦争がバックにあるからなかなか辛い。そりゃ敵国の人間のことは信用ならんよな。けど少しずつ信頼を集めて活躍していく様はとても気持ち良かった。
というだけで終わらないのがこの物語。終盤は辛すぎた。予想してなかった展開で。
なかなかビターエンドだったけどこれが実話を元にしているからすごい。
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