ぽーちゃん

レ・ミゼラブルのぽーちゃんのレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)
4.0
「悪い草も、悪い人もない。育て方が悪いだけだ」
本当にそうなのだろうと思う。

ダイバーシティが叫ばれる今、たくさんの移民や元植民地からの移住者を抱えてうまく“共存”してきたかに思える元宗主国のひしめくヨーロッパで今もなお“円満な共存”が実現していないばかりか、格差と分断が露わになり、より偏狭なナショナリズムがじわじわと蔓延しているようにすら思える現実。
それは、“単一民族”(と、アホな政治家は言うけれど、その実ヤマト民族と呼ばれる人達が様々な少数原住民族を蹂躪、同化してきたことは歴史的事実)で成り立つと思われている我が国でも、そう遠くない将来に直面する問題でもあるのだろうな。

人は権威と恐怖と暴力とでは押さえつけられない。
ムスリムの教誨師が言う通り「怒りは避けられない」のだから、、、、。
愛は愛からしか生まれず、恐怖と暴力からは怒りと破壊しか産まれない。
人間は、何度も何度も、歴史から、文学から、それを学んでいるはずなのに、、、、何故⁉️という問いと哀しみ、そして、最初のシーンの同じ国旗の下、同じ興奮と歓喜を分かち合う群衆達と、ラストのシーンの子ども達の眼は微かな、ほんの微かな希望を残してくれている。
この作品を観た人類は何を学び、どのように行動するのか???
ぽーちゃん

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