MiYA

家族を想うときのMiYAのレビュー・感想・評価

家族を想うとき(2019年製作の映画)
3.5
ギグワーカー残酷物語。実質的に雇用関係にありながら、個人事業主として仕事を請け負っている。昔から聞く話ではあります。ウーバーイーツもそう。もちろん有給休暇もなければ労災もない。

宅配ドライバーとして、過酷な労働を余儀なくされる主人公行末何が待っているのか容易に想像つくだけに、とてもしんどい気分になりました。現代の貧困問題、労働問題を非常ににリアルに描いています。ケン・ローチ監督の「わたしはダニエル・ブレイク」もしんどい話でしたが、これも相当しんどい。

なぜ彼がこれだけ無茶な働き方をするのかといえば、それは家族のため。仕事をとるか、家族をとるか、二者択一の状況に置かれること自体が間違っている。そう感じざるを得ないですね。その状況が理解できない子どもがとった意外な行動が泣けました。

もっとも本作は、この子どもの行動が希望をもたらしたかどうか、結末までは描かれませんでした。トラックを飛ばす主人公が向かった先になにがあるのか、想像するしかありません。

「Sorry We Missed You」という原題はどういう意味なのかと思ったら、「ご不在でした」ってことなんですね。
MiYA

MiYA