風ノ助

家族を想うときの風ノ助のレビュー・感想・評価

家族を想うとき(2019年製作の映画)
4.0
ケン・ローチ監督が引退宣言を撤回してまで描きたかったのは労働者の過酷な現実
『わたしは、ダニエルブレイク』よりもっと深刻で重い作風になっていました

主人公と妻は宅配ドライバーと介護士
日本でも今、最も需要が増えていて従事している絶対数も多い職業

生きていくためには働かないといけない
そのために家族との関係が疎かになったり自分の時間がなくなっていては何のために生きているのかわからなくなってくる

どんな仕事だって大変だしそれぞれの辛さがあると思います
彼らは仕事をしているだけの人ではない
誰かの夫であり妻であり親であったり当たり前にそれぞれ自分の生活を持ってる人たちです
自分が客であったり依頼する側になった時にそれが想像できる人でありたい

警察官がセブにかけた言葉が胸に響いた
「君には何かあればすぐに駆けつけてくれるあたたかい家族がいる」
つらい生活の中で唯一の救いになる家族の愛情を邦題にしたのは配給会社いい仕事したと思います
ただし、その家族さえいない人も大勢いるわけで課題は無限にあります
風ノ助

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