キングボブ

家族を想うときのキングボブのレビュー・感想・評価

家族を想うとき(2019年製作の映画)
4.4
「わたしはダニエル・ブレイク」で、イギリスの社会保障問題に警鐘を鳴らしたケン・ローチ監督が、さらに深いところまで踏み込んだ作品。
観ていて辛いものしかなかったが、不思議と深く心に刺さった。

どんなに頑張って荷物を届けに来ても、受け取りがいない…。そんな不在票に書かれているメッセージであり原題でもある「Sorry We Missed You.」に全てが込められている。

家族のために辛い労働環境で働く両親に、非行に走る息子。
代わりがいないので簡単に休めず、崩壊していく家族。
そんなことはどうでもいい顧客に会社。

先進国イギリスでもこういう現実が実際にあるのであれば、日本をはじめとする世界中の国々で起こっていることなのだろう。

時折出てくるホッコリシーンが、エンディングをより辛いものに…。

2019年 263本目
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