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マティアス&マキシムのharamouthのネタバレレビュー・内容・結末

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

余韻の残るいい映画だったなぁ・・・。
マティアスは、おそらく今まで自分のセクシュアリティをうたがったことも無く(じっさい婚約者とラブラブ)、友人のマキシムに抱く感情が実は恋なのではと気づいてからの荒れっぷりがなかなか。めちゃくちゃ泳いだり、街中を全力疾走したり、友達に食ってかかって殴り合いのケンカしたり・・・理知的でスマートなマティアスのキャラに合わない暴走が、かれの心情の混乱を表してる。
物語中盤のキスシーンはとにかく切なくて涙がこぼれた・・・。どうしようもなくやり場のない気持ちをぶつけあうような。窓の外から撮るカットはとんでもなくロマンチックだったなぁ。「ふたりの世界には、観客すらも入り込めない!」といった感じで。

男の子6人のグループのノリが「あんたたち、いくつ?」 ってぐらい子供っぽいんだけど、男子って大人になってもこんなもんなのかい?笑 マットとマックスがギクシャクしてるのを見て、仲直りさせようとする、仲良し同士の空気感が良かったな・・・。「男同士の絆!」とかわざわざ言うまでもない、一緒にいるのがあたりまえの空気というか。
完全内輪ノリの雰囲気にスパイス的に効いてくるのが、トロントから来た弁護士ケヴィン。
ハンサムを自認している男だけにできる自然なウインクに射貫かれたわ・・・。主人公2人の苦悩が、ハンサム君の軽薄さとコントラストになってより浮き彫りになる。

一度は受け入れられずにマキシムから逃げ出すマティアスだけど、これからも一生ずっとお互いを大切にしていくんだろうな、と思わせてくれるようなラスト。しばらくじっと動けなくなるような、余韻を噛み締めて心の中にしまっておきたいような、愛おしい作品なのでした。
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