グザヴィエ・ドラン最新作ということで公開当時とても気になっていましたが、割りとベタな恋愛ものだと聞いて、なんとなく後回しにしていた作品。ですが期待値が低くなっていたこともあってか、予想以上に良かったです。音楽も良かったので、これはやっぱり劇場で観たかったな～と改めて思いました。
あまりにも感情的なんじゃないかと思ってしまうほど感情的で、登場人物も多く、基本的に騒がしい。でも、だからこそこの作品の要であるカメラ前でのキスシーンなどのマティアスとマキシムが2人きりになるシーンが引き立つ。2人きりになった途端、違う空気が流れ始めていることが分かり、言葉にならない複雑な感情が見えてくる。お互いのまばたきや視線、息と音を立てずにいる唇に敏感になって、心と体が矛盾する。
感情むき出しなのにとても繊細で、もどかしく扱いにくい。
ドラン作品に共通している、母親と子の間にある問題や難しい関係性が今作でも描かれていたけど、今回はそんなに目立っていなかった印象。彼の監督作品を鑑賞するのは、これが5作目ですが個人的にはハマれなかった作品はひとつもなく、どれも好きなので今のところはハズレなしかなと思ってる。次回作こそは劇場で鑑賞したいです。
