クリーム

ダブル・サスペクツ/ルーベ、嘆きの光のクリームのレビュー・感想・評価

3.7
淡々と進んで行き、思った通りの結果で、スリラーと思って観るとつまらない。ドラマとして観ればそこそこ面白い。主役はダウード所長。ジャケの2人ではありません。また、作中の犯罪は事実であるが再現しているわけではないです。

ベルギー国境に近いフランス北部ルーベ。ダウードが署長を務めるルーベ中央警察は強盗·麻薬密売など凶悪犯罪が多発、75%が問題区域。45%が貧困層でフランスで最も貧しい街。ある日、放火事件を捜査中、新たに83歳の老女が他殺体で発見され、捜査を始めるのでした。



ネタバレ↓



ダウードらは、被害者の近所に住むクロードとマリーのレズカップルを逮捕し、容疑者として入念な取り調べを始めます。
先に供述し始めたのは、マリー。自分達が老女を殺した事を認めます。クロードは、子供がいる為、中々話そうとしませんが、警察の厳しい取り調べに観念して話します。所が2人の供述が微妙に食い違う。2人を横並び並ばせ供述を擦り合わせるのですが、この罪の擦り合いは、中々面白かったです。正確な現場検証とか生々しい犯行の再現など、愛し合ったハズの2人が、ギスギスするのは、面白かった。
結局、細かい事を相手のせいにしてもお互いの罪の減刑にはならないので、2人は開き直って、包み隠さず話ます。1人の命を奪ったのに淡々と話すシーンは、寒気がしました。その後、2人が同じ車で移送されるシーンは、どちらが優位な関係だったのかが感じとれて面白かったです(勿論クロードが優位で、彼女はマリーにそこまで気持ちはありません)。
他の事件も犯人が捕まり、一時の気晴らしに競馬を楽しむクロードで話しは終わります。

事件がごちゃついて、スッキリしないのと全く持ってスリラーじゃない。最初から、犯人なんてアホでも解る。だけど、2人のレズカップルの生々しい罪の擦り合いは、面白かったです。レア·セドゥの演技は良かったけど、そこまでずっと出て来ない。クロードが主役って感じです。カップル2人の自身への保身、醜さが楽しかったです。
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