ダブル・サスペクツ/ルーベ、嘆きの光の作品情報・感想・評価・動画配信

「ダブル・サスペクツ/ルーベ、嘆きの光」に投稿された感想・評価

空

空の感想・評価

4.0
大小様々な事件が勃発する、警察のドキュメンタリーのようなタッチ。一つ一つを深追いしないので軽い消化不良の感じを連続して味わうが、そこに現実感を見出せた。意味深なものはいくつかあったが、本当に追うべきものがなにかを見つける刑事の眼力に感服した。非常にヒューマン系。
 ルーべの警察署を記録したドキュメンタリーをもとに作られたこの映画では、登場人物のほとんどが実際に街に住む人たちからなり、主要人物である新米刑事のルイ(アントワーヌ・レナルツ)と警察署長のダウード(ロシュディ・ゼム)、そして彼らの調査対象となるクロード(レア・セドゥ)とマリー(サラ・フォレスティエ)というカップルの4人だけを職業俳優が演じている。主人公であるダウードは、家族を持たず、昼夜仕事に徹していて、彼自身の生活はほとんど見えてこない。今回の上映に際して行われた、アルノー・デプレシャン監督と青山真治監督を迎えた対談の中でも、この映画の原題Roubaix, une lumière「ルーベ、光」は「ダウード、光」でもおかしくなかったほど、彼は街を具現化したような存在だとデプレシャンが話していたように、観客の目にはダウードと街が重なって見える。そして物語は、最初は事件の被害者として登場するクロードとマリーが、後に同じ建物に住む老人女性を殺害した容疑をかけられるところから、彼女たちを中心に展開していくことになる。

これまでのデプレシャンの作品で描かれてきたように、この映画もやはり、愛を手に入れられなかった人物たちが、愛を取り戻していく物語のひとつなのかもしれない。おそらく、彼らはその時を待つことしかできないし、それはそういうやり方でしか実現しないものなのだろう。しかしそれでも彼らとともにそれを待ちたいと思う。遅らされた涙が、眼差しが、ひとすじの光とともに人生を運んできてくれる時を。(池田百花)

全文はこちらから
https://www.nobodymag.com/journal/archives/2021/0312_1621.php
槙

槙の感想・評価

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青山真治目当てで。
言葉にしたら全然噛み合わなくなっていく感じが好き。あと、朝の光の中を護送されてくシーン。
灵

灵の感想・評価

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レアの出演作ってこと以外何の価値も感じられなかった 彼女はすっぴんにジーパンだろうが厚化粧にドレスだろうが本当に映った瞬間その作品を支配してしまう

特に主人公と後輩男刑事に1ミリも魅力を感じなかった 普通に自白強要してるしめっちゃドヤ顔で女のこと美人だの自分の容姿に自信がないだのジャッジしてるし キモ
IMAO

IMAOの感想・評価

4.3

このレビューはネタバレを含みます

日本未公開作品だが昨年WOWOWで鑑賞。昨日ユーロスペースで行われた「映画批評月間 〜フランス映画の現在をめぐって」の上映イベントの一本としてスクリーンで鑑賞出来た。原題は「ROUBAIX, UNE LUMIERE(ルーべ、一つの光)」(この邦題は酷すぎる^^)

これは人が自分を演じてしまうことについての映画だ。二人の女がいる。貧しく最低の生活を送っている。その近くで老婆が殺される事件が起きる。二人の女は容疑者として警察に捉えられ、尋問され自白してゆく……

この手の話は日本でもたくさんがあるが、この物語が新しいというか特異なのは、結局彼女たちが本当に犯人だったのか?自白は誘導尋問だったのか?その辺りの結論をデプレシャンは出さない。そして尋問する刑事たちも一人の人間として描く。彼らは地元生まれの警察署長だったり、まだこの地へ赴任したばかりの情熱ある刑事だったりする。彼らは彼らで仕事を全うしているだけだ。普通、この手の映画なら容疑者と警察には明らかなヒエラルキーを際立たせるのが常套手段だが、デプレシャンはあえてそれをしない。厳しい尋問をまるでドキュメンタリーの様に淡々と撮る。その尋問の中で起きるのは、容疑者として捕らえられた二人が次第に自身を「犯人」として演じていってしまう様だ。その描写が恐ろしい。でも繰り返す様だが、刑事たちもあくまで冷静に自らの仕事を行っているだけだ。彼らもまた「刑事」とう役割を演じている様に見える。そしてには彼らにも家庭やプライベートがある。それを同軸に描き出すことで、彼らを単なる「悪人」としては描かない。要するにデプレシャンはこの映画を通じて、誰も裁こうとはしない様に見える。その姿勢が非常にフランス的というか、興味深い。

と、ここまでは昨年鑑賞後にメモったレビューだが、昨日のユーロスペースでの鑑賞後、フランスのアルノー・デプレシャン監督と日本の青山真治監督とのオンラインセッションがあり(司会:坂本安美氏)いくつか興味深い話を聞くことが出来たので追記しておく。
この物語は現実に起こった事件のドキュメンタリーが元になっているそうだ。そして主演の四人(刑事二人と犯人を演じる女性二人)はプロだが、その他の人はこのロケ地であるルーベという町の所謂「素人」と呼ばれる普通の人々を起用したそうだ。ただし素人といっても刑事役の人にはその町の実際の刑事だったり、検事には実際の検事だったりと、その道のプロを「役者」として起用している。素人を使うのは映画史を辿れば別に珍しいことではないが、この映画の場合別の意味を持ってくる。この映画ので刑事が犯人の女性たちに自白を迫るのだが、その時に「いいか?お前は自分自身を演じるんだ!」と言うセリフがある。これこそこの映画のテーマだし、そう言っている彼ら自身も自らの職業である「刑事を演じている」のだ。その一方で、プロの役者四人には書かれた台詞以外のことは一切言わせなかったそうだ。つまり素人にはある程度即興の余地をあたえ、プロの俳優には「台詞」という縛りを与えたのだ。でもその境目は見ている分にはまったくわからないほどナチュラルだ。
このことからも分かるのは、人は如何に自分を演じているか?ということだろう。僕自身も仕事でテレビ番組などを作ることもあり、市井の人々が出演するドキュメンタリーなどを撮ったこともあるのだが、所謂「素人」でも自分の職業や仕事をしている時はカメラ前でも堂々としているし活き活きとしている。つまり、それはその「職業」を日常的に「演じる」ことに慣れているからだろう。そうした誰もが行なっている「演技」というものが時に人を自由にし、時に不自由にする。この映画はそうした事実を興味深く示唆している。

この映画の舞台となったルーべのいう町はベルギーとの国境に近い街だ。(自転車好きな者ならパリ、ルーべ間のレースを知っている者もいるだろう)その荒廃ぶりが映画の背景として描かれるのは、何もデプレシャンがこの地出身だから、というだけではないだろう。そこに宿る問題はフランスだけでなく、日本でも同時代的に進行していることだからだ。
1853Perry

1853Perryの感想・評価

3.7
セドゥほんと綺麗。貫禄があるというか、ね。
エンドロール見るまでサラフォレスティエだと気づかなかった😅

退屈とかじゃなくて、途中すっごく眠くなっちゃって。。。
少し寝てしまって、罪を認めるシーンが抜けてる。。。
ボロボロ泣くセドゥ見逃した。

刑事ものだけど、ちゃんと映画的っていうのが、なるほど、と。
デプレシャンと青山真治の対談があってよかった。スクリーンで見てよかった。
いい映画だったよね。
刑事や判事や街の若者もみんな役者じゃなく本物だったなんて!
映画に寛大な国🇫🇷
役者4人:台本通りに台詞を言わなければならない
それ以外:台本にあることは言ってはならない

デプレシャンっちの本棚、立てた本の上に寝かせた本があって、なんか信頼できる感じ笑
素敵なお部屋だなぁ。
有給を取って駆けつけたというのに上映中、気圧の変化による影響か持病の偏頭痛を発症し、終始苦しめられたから全然ちゃんと観れてない。映画に出てくる麻薬中毒者と同じくらい薬を摂取したかった。
ただそれでも冒頭の車内から捉えた広い広いルーベの夜道を映すカメラや、終盤に登場人物を包む光線は一瞬でも頭痛を忘れて癒される感動があった。
cyph

cyphの感想・評価

3.7
アルノー・デプレシャン×青山真治オンライントークショーつきの回で観た これ下敷きとしてデプレシャンの故郷ルーベを舞台にした警察24時的ドキュメンタリー番組があって、そこから実際の事件・人物・台詞に至るまでをぜんぶ持ってきての作品なんですよ、という解説が肝だと思うので予習しててよかった、復習してよかった!となった フィルムノワールって正直あんまり思わない、気を衒わない癖のない映画だなあと思ったけど監督の語りが素敵でふーん いいじゃんとなっちゃった

監督のトークメモ
***
この作品では故郷ルーベで魅了されつつも輪に入れてもらえなかったアルジェリア移民たちのコミュニティ、貧しくものをもたないひとたちに初めて向き合った 彼らによる慎ましい・地面に落ちてそれきりになっている・ありふれた・貧しい言葉たちを、あたかもシェイクスピアのような古典作品であるが如く、光の中に高く持っていくことを目指した

この作品に採用された職業俳優は主演4名のみ 彼らのみパリからやってきて、ルーベの街で孤立していた そして彼らを囲むのは自然な俳優こと市井の人々 主演4名には、「台詞を一言も変えてはいけない」自然な俳優たちには「脚本にある台詞を一言も使ってはいけない」と指示した 2種類の異なる演技が織りなす美しいダンス

これまではフィクションが爆発して花火になる作品ばかりつくってきた ただ、フィクションとは演技からしかもたらされない 今回現実だけに根付いた作品を初めてつくって、自分自身救われたところがある
***

正直理屈先行型というか、作品としては本人が必死で避けたはずの連続テレビドラマに近しいものになってしまってるシーンも多かった気がするけど(少なくとも大味ではない) とはいえ最後の現場検分でのシーン 老婆が息を引き取った枕の下でふたりが初めて手を重ね視線を交わすあのカットはとてもよかった 「突然理由なくすべてが光り輝く瞬間」だ、てなった あんなのドキュメンタリーであったら息を呑んじゃうよな レアセドゥの魔法も

警察が凄むのも演技ぽくなく本職の皆さんさすがと思いつつ結構理不尽に詰められるから実際治安の悪い街住んでてそこを取り締まってんのこいつらだったら正直やだな、と思った 「初聖体で会うか結婚式で会うかだ」とかパンチ効いてるけど、凄むときすらそんなかフランス人よ

あと初デプレシャンがこれなのたぶん完全に間違えてるから、『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』必勝法と思うことにして他の作品もちゃんと続けてみる あとヒッチコック『間違えられた男』もいつか見る
こんなアクションっぽいポスターおかしい。もっとルーベに住んでる人たちの生活とか目線に寄り添った、悲しいけど穏やかな話だよ。
わたしのレアちゃん。強くて美しくて強か。冷たい目、見透かしてくる目、すがりたくなってしまうような目。
4人以外素人っていう話に驚きました。テレビと差別化したかったっていうのも、意外とフランスっぽいなーと思った。クローズアップの顔は、スクリーンに映ってれば必然的に観客より大きい。テレビだと観客の方が大きくなってしまう場合がある。映画がその場を支配したい。(そうとは言ってない)
派手さも無いし、スッキリもしない、鬱蒼とする映画。ミステリーという扱いが正しいのかは何とも言えないけど、とりあえず主役の沈着冷静な署長は良かった。
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