どっさり登場するヤバいキャラたち、いくらでも派手にドラマチックに演出できるだろうにこの一貫して渋いトーンに痺れる。冒頭の記念撮影のシャッター音とともに紹介されるメンツ、カウントされる死者。矢継ぎ早で覚えられる気がしないし早々に不安になるが、エピソードの多さが楽しすぎる。殺された家族の亡霊の演出、夢なのか格闘スタジアムのような法廷のシーン、奥さん宙吊りヘリコプター尋問、周辺まで破壊する送迎車爆破。もうここまででやっと終わるのかと思いきやここからまた続くから。長い裁判の間に整形？ちょっとしたセリフがいちいち後を引く。晩年の誕生会で披露するイタリアン歌謡の後の夜月の美しさ。ラストシーンも堪らなく良い。
