雨丘もびり

チャーリー・セズ / マンソンの女たちの雨丘もびりのレビュー・感想・評価

3.5
のんきなホラー小説家の平山夢明さんが「いままで会った中で一番サイコパスだと思った」というチャールズ・マンソン。
彼に洗脳された女性3人のノンフィクション。監督は『アメリカンサイコ』のメアリー・ハロン。

C.マンソンが巧いのは、人を1on1で洗脳することよりも、信じざるをえない場=集団=状況をつくることだったのかな?と思った。「彼女たちは独房で洗脳し合ってる」っていうセリフがあってツラかった。
「個の意識からの解放」「過去に苛まれず今に集中」とか良い事言ってるし、さりげなく不安と罪悪感をあおるのが巧い。
そんな"場"に毒された彼女たちに、苦心してフェイストゥフェイスで向き合ってあげた教師カーリーンが勇敢。洗脳を解くのは、ただ時間と忍耐をかけることなのかも。ふつうに会話して、ふつうに質問して、ふつうに時を過ごすことが大切なのかもしれないね。

育ちは良さそうだけど石みたいに頑ななコ、パトリシア。演じたソシー・ベーコンはケヴィン・ベーコンの娘さん。どっかで観たことある面立ちだと思ったら(☆▽☆)

被写体を距離感もって描き、観客に近寄せ過ぎない冷めた匙加減は、さすがメアリー監督。
音楽プロデューサに邪険にされて憎悪を爆発させるC.マンソンと、有名レストランの予約が取れずに怒り狂うP.ベイトマンは同根。