チャーリー・セズ / マンソンの女たちの作品情報・感想・評価

「チャーリー・セズ / マンソンの女たち」に投稿された感想・評価

あの時何が起きていたのか。ワンハリのサブテキストとしても最適なのでは。

デニス・ウィルソン、テリー・メルチャーも出てきます。
ぬげこ

ぬげこの感想・評価

3.8
見てよかった。新文芸坐様さま。
何にも知らなかった。
名前や、その周辺の事実は知っていたのですが、実際に何したのか知らなかったのです。

家族や、愛、優しさや、自己肯定、
色んなものに飢えているひとは昔からいて、全て与えてくれる彼が光のように見えたんだろうなと、同情してしまいました。

洗脳が解けたら、自分の犯した罪に苦しむって壮絶だなと思いました。

ラストシーン辛いです。
『アメリカン・サイコ』の脚本・監督コンビがマンソン・ファミリーを描いた作品。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を観る前の予習として単館&1日1回という少し高い鑑賞ハードルを越えての観賞。
ワンハリも観た上での感想を述べるならば、本当に観ておいて良かった!!歌いながらゴミを漁るマンソンの女たち、シャロン・テート邸を訪れるマンソン、打ち棄てられた映画村を居住地にするファミリー……と事前にこちらで観ていたからこそ、ワンハリで「あっこれチャーリー・セズで習ったところだ!」と早々に不穏な気持ちにさせられたという。

ベトナム戦争の泥沼化による大義ある戦争が薄れていった時代、黒人党が発足してこれまでの人種差別という闇を見つめ直さないといけなくなった時代、アメリカが正義と信じていたものがどんどん揺らぐ不安定な時代、それが1969年である。その中でヒッピーコミューンの「マンソン・ファミリー」が出現。彼らがハリウッドの『顔』であるシャロン・テートを惨殺することによって、半ば形骸化していたとはいえベトナム戦争のアンチという「正義」として認識されていたヒッピー集団の印象はドス黒く塗りつぶされ、「ラブ&ピース」は終焉を迎える。アメリカ社会自体が善悪の区別がつかない閉塞の時代へと突入することになってしまった。1969年8月9日「シャロン・テート殺人事件」は単なるカルト教団の凶行というだけでなく、全米の価値観をも決定的に変えてしまった大事件なのだ。

本作はマンソン・ファミリーという加害者側から、その凶悪事件へ至った経緯とその後を描く。主要人物はシャロン・テート事件と、スーパーマーケットオーナー夫妻殺人も犯した3人の女性。彼女達が収監された現代パートと、彼女達が事件に至るまでの過去パートがザッピング回想されていく。映画原作本の作者が、現代パートにおける彼女達の聞き役になっており、そこで聞く話から「彼女達もある種の被害者では?」となっていくのがやるせない。
とはいえ途中で逃げ出せた筈の道を示したり(奇遇にもワンハリに通じる構成だったり)、収監された現代パートでも稚拙な神話にすがって自己正当化する姿が容赦なく描かれているため完全に彼女達に同情的というワケでもない。そんな彼女達に最大の「罰」も与えられるため、その辺りのバランス感覚が絶妙である。

そして彼女らをドラッグとセックスと暴力によって洗脳していくチャールズ・マンソン(チャーリー)の質感が非常に気持ち悪い。徹底して自己顕示欲が異様に強く非常に稚拙な男として描かれているからこそ「こんな奴によってシャロン・テートの生命は奪われたのか…」とやるせない気持ちになる。
彼の稚拙さは傍から見ると大分滑稽ではある。ハリウッドでのミュージシャンデビューを目指す彼がハリウッドからの音楽プロデューサーを迎えるにあたっての精一杯の接待が「いつものゴミ箱から拾った飯を出すな」「俺の演奏中にとりあえずお前ら踊りながらおっぱい出しとけ」「演奏終わったら誘え。積極的に枕営業しとけ」なんだから。案の定、素人からしてもそんな上手いとも思えない演奏に、とりあえずポロリされるおっぱいの取り合わせがあまりに雑で苦笑してしまう。そんなあんまりなパフォーマンスと生活ぶりを憐れんだプロデューサーに干し草代を恵まれたチャーリーを見た信者の女たちが「契約の前金を貰ったのよ!」と無邪気にはしゃぐのは笑える。

しかし、その後逆上したチャーリーが女たちへDVを振るい、さらにはプロデューサーを紹介したデニス・ウィルソンへの逆恨み殺人計画へと繋がるので笑えない(1969年8月9日時点ではデニスは家を引っ越していた。そして旧デニス邸に越していたのがシャロン・テート。つまりシャロン・テート事件は完全な人違い殺人なのだが、本作ではチャーリーが事前に家にシャロンが越してきていることを確認した上で殺人の指示を出しているので「本当に人違い殺人だったのか?」という疑問が残る。その後も続く連続殺人を見るにハリウッドの"光"に対する妬みが根底にあって、シャロンはその光の贄として殺されたという解釈も出来る)。

画的なグロテスクさは少ないものの、家出少女たちへの生々しい洗脳プロセスが描かれたりと精神的グロテスクは結構キツい。しかし、だからこそ1969年8月9日「シャロン・テート殺人事件」が「アメリカの正義の完全敗北」「暗黒時代の到来」に繋がる出来事だったのだということが丁寧に伝わってくる。
もう上映が終了しているものの、これから先に円盤化されたらワンハリより前に是非観てもらいたい作品。逆に言うとワンハリ観る前にこれさえ観ておけば他に予習はいらないです。本当に。
うん、観て良かった。僕はリアルタイムでは無い。だけど🎬『Once Upon a Time in Hollywood』を観る前、自分なりにシャロン・テート事件を調べて、覚悟して観に行った。だからあの展開は納得出来なくて、本を読むべきか、この映画を観るかって思ってた。
映画は1969年とその3年後の話。ヒッピー、フラワームーブメントの終焉が描かれてはいないけど、その頃、何に魅せられて、世界が変わると信じたのかは垣間見る事が出来た。
ルルのキラキラした目に映ったものと、その後の落差、そしてその代償を想うと切なくて複雑。

この映画のラストを観て、何故か『Once Upon a Time in Hollywood』のラストも有りだと思えるようになった。
普通だった。
残念だった。

ある男を崇拝するが故に、
無残な殺人事件の実行犯へと
落ちていった女たちの
そこへ至るまでの物語。

胸を抉るような描かれ方
なのかと思いきや、肩すかし。

少し甘めになぞっただけでは
史実を知っただけというか、
なんともかんとも。

史実に沿ってない
タランティーノ作品の方が
ずっと肉厚だったという皮肉。

山はどこにあったんだろう。
ぶぶこ

ぶぶこの感想・評価

3.8
とてもよくできた再現ドラマ(これは褒め言葉です)。マンソン役の役者さんがとてもいい。顔も似せて作ってるし、魅力的なカリスマがだんだんおかしくなっていく演技も上手かった。僕からすれば、この映画の肝は「それなりにマンソンを魅力的な人間として描いているか」なので、その点は合格。惨劇の描写もあるが、大半はコミューンのある意味青春めいた描写と、刑務所内での更生教育が対比的に映し出されて、構成的にも良かったと思います。
setsudosha

setsudoshaの感想・評価

3.6
チャーリー・マンソンと彼を盲信するマンソンガールズ。
狂ってるしイカれてる。
許されることじゃない。
でもみんな無邪気でまっすぐなんだよね…
洗脳は覚めないままが幸せ。
Takano

Takanoの感想・評価

-
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が楽しみだった私は、8月にシネマカリテで上映していたこの作品を予習として見に行っていた。我ながら良い努力のかけ方だと思う。


『OUATIH』では、チャールズ・ファミリーについて深い言及はされておらず、謎のカルト教信者たち、映画スタジオに集団で住んでいるヒッピーたちという描写だ。チャールズ・マンソンという男を知らない観客の中には、彼がこの作品に登場してたことさえも気づかない人がいるのではないだろうか。

『チャーリー・セズ』は、このチャールズ・マンソンや、その集団にスポットを当てた話となっている。チャールズ・マンソンという男の人となりや、なぜ、チャールズ・ファミリーがロマン・ポランスキー宅に侵入し、シャロン・テートの殺害に及んだのか、別の角度から見た1969年8月9日までのストーリーが描かれていく。


主人公は、チャールズ・ファミリーの女性たち3人だ。彼に洗脳され、やがて凶行を犯した彼女たちは女子刑務所に収監される。その刑務所内で講義を行う大学教授カーリーンとのふれあいを通じて、彼女たち、ファミリーの暮らしぶりが回想シーンで明らかになっていく。


当時の事件から時間が経ったからか、悪のカリスマとして見られるチャールズ・マンソンだが、本作では、ロックスターを夢見る女性蔑視の激しい誇大妄想者として表現されている。デモテープを送ったり、プロデューサーを自分のコミューンに呼んで一曲披露したり(バックコーラスはチャーリーガールズだ)するシーンは、まだ許せるのだが、ビートルズの「ヘルター・スケルター」を世界終末を予言する曲だと言い始めたり、ガールズにDVしたりと、見てるこちらでさえ地獄のような空間を味わわされる。


ちなみにチャールズの作った音が気になって検索してみたら、Spotifyでアルバムが配信されていた。終身刑者の音楽が聞けるのに電気グルーヴが聞けないのはおかしい。復活してくれ。


彼女らも、そして観客も、チャールズ・マンソンに翻弄されつつ、やがて、この作品でもあの日を迎える。1969年8月9日の「シャロン・テート殺害事件」だ。テキストを読むだけで寒気がするこの事件が再現されるおぞましさと、この目で確かめたい卑しい興味を持った自分がいた。


最後に。「衝撃の実話が映画化」という触れ込みの作品が最近多すぎると思う。ただ淡々と、嘘のようでホントの話を映像化しているだけでは、それは世界仰天ニュースだ。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』も『チャーリー・セズ』も実際に起きた惨劇がベースの映画だが、一部はフィクションになっている。そのフィクションが、この事件に巻き込まれた女性たちへの"救い"と感じ取れる瞬間になっている。それほどまでに、「シャロン・テート殺害事件」は目を覆いたくなる悲しい史実なのだ。
A山

A山の感想・評価

3.5
ワンハリを観た後に観ました🙆🏻‍♀️

レスリーという新入りの子の加入から回想をスタートすることで、マンソンが教徒?フォロワー?達をどうやって洗脳していってるのかがわかりやすく描写されてたと思います🙆🏻‍♀️

名前忘れちゃったけど先生の女性の聡明さと優しさがすごく印象的だったな。。

洗脳される前の自分を取り戻させてあげたい、自分のしたことを知って本当の意味で罪を償わせなきゃいけない、でも洗脳が解けた後にずっと続く苦悩への扉を自分が開けようとしていると思うと…っていう葛藤

モデルとなった先生はこの映画に受刑者を関わらせることに反対だったというのは気にかかるけど、それを最後に明記することも含めて、誠実な態度での映画製作だったように見えました
天体

天体の感想・評価

2.6
題材とおどろおどしいポスターから相当のエログロを想像してたんだけど全然大丈夫だった

むしろ青春映画のような描かれ方をしてて、最後もなんかいい話風にディフォルメされてて、
これでマンソンが犯罪に走らなければこんな生き方もアリだな…と思えちゃいそうで(時計もカレンダーも捨てろとか)、それはそれで大丈夫か?と思った

チャールズマンソン関連の物ほかに勉強してないので完全この映画みただけの感想なんですけど、
たしかにクソ男尊女卑のクソ野郎なんだけど現実の世の中もっとやべえクソ野郎が沢山いるのでクソ男度としては別に普通だったし(この現実がもうクソ)、

何なら出産の手伝いとかしてて好感さえ持てちゃったりして、こういうところがまさに女たちが惹かれた理由なのか…?と怖くなった

マンソン自身のカリスマが云々というよりこの映画だと集団心理の方がリアルな怖さ感じたな
暗い映画館で見てるだけでもちょっと非日常に飲まれそうで怖かったもん これで周りの観客に一斉に囲まれでもしたら逃げられる気がしない…

なんか女をあらゆる意味で道具にしてるマンソンと同じくらい取引に応じて女を搾取してるデニスウィルソンとかテリーとかも同罪じゃんと思った
寧ろ奴等が持ち上げといて落としたのがマンソンがさらに不安定になるきっかけだったわけだし…かといって直説法で捌ける罪は犯してないし ウーン闇深

結局チャールズマンソンって不安定な時に欲しい言葉と居場所をくれる人で、
それに依存してるうちに一緒に狂気に飲まれちゃったってことなんかなぁ

なんか世の中もっと理解できない大量殺人犯ているので良くも悪くもめちゃくちゃ普通に感じてしまった
こういう人どこにでもいそうだからこそ一歩狂うと…で怖いな

こういうやつを映画化すること自体英雄視するフォロワーが出てきそうだから良くないんだろうけど、
人間の好奇心は金になるので封じるのは無理だよなぁ…

チャールズマンソン本人の作詞した歌を聞かされたという事実が何より一番むちゃくちゃ胸糞悪い


最後に細かい点ですが、刑務所パートの話なので実話か知らんけど
針とか鋏とか剃刀とか渡してる看守マジ??????
あと劇中で「互いに再洗脳を繰り返してる」て言われてたけどなんで房離さないの????
あとカウンセラー?が3人の地雷原の上でタップダンスし過ぎてて逆効果にも程があるだろと思った 言い方ってもんがある
>|