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ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

2.6
【おいでよ どうぶつの森エクストリームモード】
アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞ショートリストに残っていた『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』を観ました。本作は、ネイチャードキュメンタリー作家のジョン・チェスターが、愛犬のせいでアパートを追い出されたことからカリフォルニア郊外にある200エーカーの荒地に農場を作る8年の記録を綴った作品だ。アメリカでの評判が非常に高いので観てみました。

これは一見ゆるーいホームムービーに見える。それこそ、動物との共生を目指した現実の《どうぶつの森》が映し出されている。しかしながら、映画をよくよく観ていくと、次から次へと使徒襲来並みの壊滅的大惨事を乗り越えていくストイックなドキュメンタリーとなっている。監督のョン・チェスターはネイチャードキュメンタリーの監督として長らく活動してきた。愛する妻は料理好きで持続可能な環境作りに興味を持っている。そんな夫婦は犬を保護するのだが、トッドと名付けられたその犬は吠える癖があり、苦情が発生したため立退きを余儀なくされる。しかし、この夫婦とてもポジティブだ。折角退去するなら、農場を作ろう!持続可能な動物と共生できる農場を作ろう!とカリフォルニア郊外にある200エーカーの荒野に移り住む。そして、周りの人を巻き込みながら、豚や、鶏、牛を解き放ち、果物を育て始めるのです。

しかし、夫婦に待ち受ける困難は過酷なもの。池が汚れてしまったり、牛の糞によりハエが大量発生し、ペストが蔓延したり、巨大カタツムリや鳥が折角作った農作物を徹底的に食い散らかしてしまったり。しかし、夫婦はへこたれないんです。そんな問題なんてことないだろうとひたすらトライ&エラー、PDCAを回して乗り越えていくのです。目の前の問題を事務的に処理していくためか、映画としてはあまりにも挿話をただ並べただけのような感じはするし、割とスピリチュアルマインド全開なところがあるのでTwitter廃人捻くれ者のブンブンは若干の拒絶反応を示したが、それでも8年かけて作られる持続可能な農場のあり方は素敵なものがありました。

日本公開は、2020年3月シネスイッチ銀座、新宿ピカデリー、YEBISU GARDEN CINEMA他にて!
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