XmasStory

ANIARA アニアーラのXmasStoryのレビュー・感想・評価

ANIARA アニアーラ(2018年製作の映画)
4.0
思わぬ拾い物ってことで良作。

地球を脱出し火星へ旅立ち宇宙船。新天地へのわくわくでちょっとした旅行気分な人々。人工知能の部屋をコントロールする主人公はさほど浮かれておらず。ふむふむこの人工知能が色々見せてくれるから何かしてくるんだろうなと思ったら違った。

不慮の事故で軌道がずれた宇宙船はどんどん宇宙を彷徨う。何も知らない人々。大丈夫だと呑気な船長、乗組員。しかし人工知能だけは人類への希望を失い知りすぎ視えすぎ早々に自我を喪失。リタイア。だけど次第に辿り着けない不安、のらりくらりとかわされる説明に人工知能が見せてくれる幻に希望を持ち出す人達は部屋に集まりだす。この無機質な感じが好き。

食料も底に尽き、苔を生成しては食べ、修正可能の一縷の望みも立ち消え、カルト信教が溢れ、自ら命を絶つ者も止まらず、宇宙船はまるで墓場のように長い年月と共に朽ちていく。果たして結末は?あまりに皮肉すぎて笑ってしまった。

船長が自傷行為していた事に人間の裏表を感じた次第です。あまり人工知能は関係なくて人類崩壊の縮図を船内で描いた感じ。
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