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Voci nel tempo(原題)
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『Voci nel tempo(原題)』に投稿された感想・評価

メランコリックでほろ苦い余韻を残す佳作。
フランコ・ピアヴォッリ。

本作はイタリア、ロンバルディア州の小さく牧歌的な村を舞台とした、セミドキュメンタリーである。
特定の人物像で無く、“人々の暮らす村”其の物へフォーカスしている為、特段のストーリーラインどころか台詞すら無い。
この村で、人々は隠れん坊をし、愛し合い、雨にうたれ、穏やかに孫に手を牽かれる。
カメラはその様を、移ろい行く四季折々の村の情景に合わせ捉えている。

この作品は、環境映画なのだ。
「観る」と云った肩肘張った鑑賞ではなく、心穏やかに「眺める」と云う鑑賞方法が適している。

今日秋晴れの空の下、窓を開けて風を容れ、柿のカプレーゼと生ハムラ・フランス、イカスミのパスタとサングリアを頂きながら鑑賞。
しみじみと、「良い一日」を味わうには良い作品である。
[ある村の人々の懐古的年代記] 80点

空を真っ赤に染めながら太陽が昇り始め一日が始まり、映画も始まる。光を反射する湖は魚の動きとともに波打ち、人気のない街で鳥のさえずりがこだまする。イタリアの田舎で暮らす人々の生活を情緒的に掬い取ったセミドキュメンタリー的な本作品は、有効な会話を一切含まないことで普遍的な世界を提示する。発される会話は"話している"事以外の意味は持たない。風の音、鳥のさえずり、河のせせらぎといった自然の音から、人々の会話や歌声、鐘の音、車のエンジン音、クラクションといった人工の音、ダンスや教会音楽をそれぞれのシーンに劇伴として使われる音楽に至るまで、喧騒と静けさを往来しながら時を超える"声"を紡いでいく。同時にカメラも接写からロングショット、静から動に至るまで縦横無尽に変化していく。彼らの生活は近代的でありながら退廃的でもあり、時間が止まったような、そして同時に全ての時間を生きているような錯覚すら憶えてしまう。それこそが"時代を超えた声"なのかもしれない。

一日の到来と共に母親が窓を開けると、同時に起き出した赤ん坊が泣き始め、映画のもう一つの物語である人生が幕を開ける。幼年期、少年期、青年期、中年期、壮年期、老年期にある人々の日常を一日に置き換えて描き出し、一つの映画を人生に作り変えたのだ。そして、同時に日を経るごとに季節も変化させる。春に生まれた子供たち、夏に遊ぶ青年たち、秋に結婚する中年たち、そして冬の雨を見つめる老人たち。それぞれの季節はぞれぞれの人生にリンクし、やがて来たる結末を暗示させながら次に来るであろう春を感じさせる。生命のサイクルが閉じた瞬間だ。

『カノン』を流しちゃうラストは安直だが、そうしたくなる気持ちも分からんでもない。文字通りの世代交代を終えた映画は夕陽が沈んで暗転し、老人としての一日を、人生としての一年を、そして短い映画を終わらせる。


監督フランコ・ピアヴォリは50年代から60年代にかけて少ない短編ドキュメンタリー映画を撮っていた映画監督だが、1964年の『Evasi』以降20年近く沈黙していた。その後1982年に突如、初長編『The Blue Planet』を発表して復活し、セミドキュメンタリー的な作品を四本残した。現在は大学教授として働いているらしい。他の作品も本作品のように言葉には執着していないようだ。
イタリアの映画評論家、アドリアーノ・アプラ氏が選ぶイタリア映画ベスト10(と言ってもリストには13本ある)に入っているので観たが傑作。
イタリアのある農村の春夏秋冬を撮った映画で話の筋やセリフと言ったものがない(ので字幕不要)。
詩的で『アマルコルド』をドキュメンタリーにしたような感じか。

引きのショット、主観、アップ、空ショット、俯瞰ショットなどを一定の長さで織り交ぜながら見せる為、ショットのリズムが心地よい。
中盤のお祭りの場面での視線の応酬はちと長い気がしたが。ちなみにここで踊る女性のハミケツが凄すぎる。最高。

編集に関して言うと、特にサッカーボールを追う少年→お葬式で立ち尽くす人々の中にボールが入っていくショットの繋ぎには驚かされた。溝口的な朝霧の中を船が進むショットもめちゃくちゃ良いし、夏の夜の街灯、外で涼む人々のショットも最高。スイカを食らうおっさんの気持ち悪さも良い。また春の場面では桜が咲いている。イタリアにも桜あるんだという驚き。