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プライベート・ライアンのnemiのネタバレレビュー・内容・結末

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

一人の兵士(ライアン)を無事アメリカに送り届けるというミッションを受けたミラー大尉。彼は、部下8人と共に敵地の中
生きているかもわからないライアンを命をかけて探しに行くというものだった。

わたしはアパムが1番好きだった。
途中から大尉の部下になり、フランス語とドイツ語が喋れる唯一のインテリ系兵士で、身体も他の兵士に比べればひ弱で、足も遅く、勇気もない。だけど、結局彼は最後まで生き残った。
弱いから犠牲になりやすいところに配置されなかったり、勇気がないために他の兵士なら突っ込んでいくところを躊躇ったりして結局それが彼の身を救った。一方で他の優秀な兵士は自ら進んで行動して死んでいった。戦場は本当に皮肉なところだと感じる。必ずしも強いから生き残るのではなく、人間の場合は賢くないと生き残れないのだと思う。賢ければ弱くても生き残れる可能性もある。

最後のシーンで、形勢が米軍に傾いた時
はじめてアパムは自分から行動してドイツ軍数人をまとめてひとりで無抵抗状態にした。アパムは戦争を通して強くなったのではなく、あくまでも彼のままで生き残ったのだろうと思う。そんなに簡単に人は変わらないところがリアリティがあって好きだった。

また、映画全体は、アメリカ寄りの視点で描かれているが所々ドイツ軍の人間味のあるところや、民間人が被った被害など、敵軍にも人生と感情がある人間であることを感じさせる部分があって良かったと思う。そういった描写がもう少し多くてもいいと思うが、生きるか死ぬかの場面で敵を思いやれる程余裕がある人間は多くないだろうし、このぐらいで留めておくのもいいのかなと思った。

最初の30分から怒涛の戦闘シーンで、
心が苦しくなる場面が多かったが赤く染まった海の描写や手榴弾で弾け飛ぶ人間の様子、死ぬ前は結局みんな兵士から一人の人間に戻っていくところなど見所が沢山ある戦争映画だと感じた。
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